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般若経(はんにゃきょう、梵: Prajñāpāramitā sūtra, プラジュニャーパーラミター・スートラ)は、般若波羅蜜(般若波羅蜜多)を説く大乗仏教経典群の総称。 最も早く成立した最初の大乗仏教経典群とされ〔一般の用語としては、般若経とは - 日本大百科全書/コトバンクなど。前項邦訳書の解説、解題に詳しい。〕、紀元前後に成立した『八千頌般若経』を最初期のものとする説が多いが、その後数百年に渡って様々な「般若経」が編纂され、また増広が繰り返された。 中国では下記するように各時代ごとに経典が持ち込まれ翻訳がなされてきたが、唐の玄奘が西域から関連経典群を持ち帰って漢訳し、集大成したとされるのが『大般若波羅蜜多経』600余巻(660-663年)であり、これを指して般若経と言うことも多い。 一般に空を説く経典とされているが、同時に呪術的な面も色濃く持っており、密教経典群への橋渡しとしての役割を無視することはできない。 ==主な般若経典== *『八千頌般若経』 (はっせんじゅはんにゃきょう、 :アスタサーハスリカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ) : *紀元前後1世紀ころ成立し大乗仏教初期に編纂され後の仏教発展の基礎となったと考えられている。 :現存サンスクリット本に対応する残存する漢訳は、『道行般若経』支婁迦讖訳(179年)、『(小品)摩訶般若波羅蜜経』鳩摩羅什訳(408年)、のほか計4本である。 : *ネパールでは九法宝典(Nine Dharma Jewels)の一つとされている〔CiNii 論文 - 金光明経の教学史的展開について 14頁〕。 *『二万五千頌般若経』 (にまんごせんじゅはんにゃきょう、 : パンチャヴィムシャティサーハスリカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ) : *現存サンスクリット本に対応する残存する漢訳は計3本、『(大品)摩訶般若波羅蜜経』鳩摩羅什訳(403年、大品般若経) は中国・日本の仏教形成に大きな影響を与えた。ナーガールジュナ(龍樹)の『大智度論』鳩摩羅什訳(402年 - 405年)〔出三蔵記集卷十『大智論記』〕は、本経に対する注釈書である。 *『十万頌般若経』 (じゅうまんじゅはんにゃきょう、 : シャタサーハスリカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ) : *現存サンスクリット本に対応する漢訳はないため、鳩摩羅什(344年 - 413年)の時代には編纂されていなかった可能性がある。 *『金剛般若経』 (こんごうはんにゃきょう、金剛般若波羅蜜多経、 : ヴァジュラッチェーディカー・プラジュニャーパーラミター・スートラ) : *その長さから「三百頌般若経」とも呼ばれる〔『大乗仏典 般若部経典 1』 長尾雅人・戸崎宏正訳 中公文庫 p326 〕。 : *この経は「空」を説く般若教典の中で「空」という用語が使われていないため最古層に編纂されたものであるとする意見もある。 : *漢訳は、玄奘『大般若経』「第九 能断金剛分」(660年-663年)や、『能断金剛般若波羅蜜多経』義浄(703年)ほか計6本(7本)あるが、鳩摩羅什訳の『金剛般若波羅蜜経』(402年)が主に使用されている〔「世界大百科事典 第2版」2006年 平凡社〕〔チベット語訳 『金剛般若経』 と 『法華経』 について 庄司 史生 p38〕。 *『般若心経』 (はんにゃしんぎょう、(仏説・摩訶)般若波羅蜜多心経、 : プラジュニャーパーラミター・フリダヤ) : *「二十五頌」から成る最短の般若経典。最古のサンスクリット本が法隆寺に伝わる。(7~8世紀の写本とされている) : *残存する漢訳は、『摩訶般若波羅蜜大明咒経』鳩摩羅什訳(402年 - 413年)、『般若波羅蜜多心経』玄奘訳(649年)があり、こののちも4本残存するが、玄奘訳が広く用いられている。 *『大般若波羅蜜多経』 (だいはんにゃはらみったきょう、大般若経) : *唐の玄奘が西域から関連経典を持ち帰って漢訳し、集大成したとされる。16会600巻。 : *『第一会』(第1-400巻)は、、『十万頌般若経』の類本とされるが、その対応は明確でない。 : *『第二会』(第401巻-第478巻)は、『二万五千頌般若経』に相当する。 : *『第四会』(第538巻-第555巻)及び『第五会』(第556巻-第565巻)は、『八千頌般若経』に相当する。 : *『第九会 能断金剛分』(第577巻)は、『金剛般若経』に相当する。 : *『第十会 般若理趣分』(第578巻)は、真言宗で重用する『理趣経』即ち『大楽金剛不空真実三摩耶経 般若波羅蜜多理趣品』不空訳(720年 - 774年)と比較的近いサンスクリット本の翻訳とされている。 : *『第十六会 般若波羅蜜多分』(第593巻-第600巻)は、登場する菩薩の名に因んで『善勇猛般若経』(ぜんゆうみょうはんにゃきょう)として知られる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「般若経」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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