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花の慶次の登場人物(はなのけいじのとうじょうじんぶつ)では、隆慶一郎作の歴史小説「一夢庵風流記」を原作とした、原哲夫の漫画作品『花の慶次』に登場する人物について解説する。 声はカセットブック版/ラジオドラマ版/パチンコ・パチスロ/戦国大戦のキャスト。 == 慶次と仲間たち == ; 前田慶次 : 声:大塚明夫/藤沢としや/未公表/堀内賢雄 : 正しくは前田慶次郎利益。天下一の傾奇者。身の丈は六尺五寸(約197cm)以上ある大柄な武将(原作では身長六尺三寸(約190cm)、体重二十四貫(90kg)とされている)。出自は滝川一益の従弟である滝川益氏の次男で、前田利家の兄、前田利久の養子となる。養父利久の一生を見届けるまであえて不仲の叔父利家の治める金沢に居続けるなど自らの道理で生き、自由を貫き通す奔放な男。肝っ玉も据わっており、権太という見世物小屋を抜け出した熊と酒を飲んでいたこともある。勝ち戦よりも負け戦こそいくさ人のあるべき場所と信じ、好んで劣勢な軍勢に味方する(原作では前田家に仕えた後に慶次が参加した合戦は全て勝っていると書かれている)。膂力に優れ「甲冑の隙間を突く」のが戦場での刀の使い方の常法であるこの当時、甲冑ごと敵を斬り捨てる常識外れの刀法を見せる〔原作では甲冑を斬る事は不可能にしても衝撃で敵を気絶させるという描写になっている。〕。そして酒を樽ごと一気呑みするほどの酒豪。その一方で旅日記を書く、伊勢物語を写本する、千利休と交流するといった風流な文化人の側面もある。その無頼な振る舞いを気に入った秀吉から「いかなる相手であっても自分の我を貫き通してよい」という「傾奇御免状」を与えられた〔実際に文書を与えられたわけではないが、諸大名の集う中での宣言であり、公文書同様の権威がある、との意味で。原作では奥村助右衛門がこう呼んだ。〕。自称として、雲井ヒョットコ斎、一夢庵ひょっとこ斎(出家後)がある。立腹した時は常に持ち歩いている煙管(金の特製であり非常に重い)を逆さにして音高く「トーントーン」と二度叩き、火皿の中の煙草をふるい落して煙管で殴りつける癖がある(原作では喫煙の場面自体が少なくこの癖はない)。猿や白鷺の衣装といった多種多様な衣装を披露する。原作及び史実では妻子があるが(原作では一男四女の父であり金沢出奔の際に離縁している)、本作では全く触れられていない。まつとの関係も同様にカットされている(原作では少なくとも2回は肉体関係を持っており、本作でも「殿様の正室が不義を働いて云々」というくだりがある)。 : 原作『一夢庵風流記』での名前は「前田慶次郎」だが、隆慶一郎の提案により「前田慶次」と略することとなった〔利家や友人が「慶次」と呼ぶことはある。〕。 ; 松風 : 人を軽く踏み殺せる巨躯の馬。上野国の厩橋城近くで野生馬の群れを率いていた。馬を手に入れようとする滝川勢を翻弄するが、並の馬では一合戦で乗り潰してしまう慶次に惚れ込まれ、彼に10日間をかけて「口説かれ」てその愛馬となる。慶次にとっては戦友で心を通わせあっており、慶次は馬銜をつけずに乗りこなす〔ただし裸馬というわけではなく、鞍は置く。これは馬上の戦闘には鐙が欠かせないためである。〕。非常に癇が強く、基本的に慶次以外の人間は乗せようとせず、幸村なども振り落とされている(原作では骨に襲われて危機に陥った捨丸が短い時間だが乗せてもらっている)。人の言葉を理解している。また実際に発声したわけではないが一度だけ劇中で「なにを甘ったれたことを言ってるんだ〜」と心の言葉を発した描写がある。なお松風には後藤又兵衛の馬狩りで瀕死の状態となった子馬がおり、松風は慶次の刀を銜え苦しむ我が子への介錯を慶次に託した。その時、松風は初めて「紫色」の目から涙を流し、わが子の最期を看取った。 ; 捨丸 : 声:千葉繁/宮坂俊蔵 : かつては四井主馬の家来だった小柄な忍び。弟を松風に蹴り殺され慶次を付け狙っていたが、その一方で惚れ込んでもおり、仲間7人を殺すことで覚悟のほどを証明し慶次に仕える。位こそは下忍(原作では下忍以下の身分である奴とされている。作中でも侍身分の下忍より下の身分と描写されている)だが、加賀忍軍ではトップクラスの実力者であり、慶次の一の家来として作中の最後まで勤め上げる。主馬も彼の技量を惜しんで一回だけ加賀忍軍復帰のチャンスを与えている。ただ、作中では四井主馬に目の前にまで接近されても気付かなかったり加賀忍びの上忍に不意打ちを食らって殺されかけたり、利休の配下の忍者に天井裏で容易に後ろを取られるなど、相手に殺す気があったら何度も殺されている場面があり、若さゆえか忍びとしては未熟さも目立つ。炸裂弾が主な武器。本作では炸裂弾や手裏剣を投げるほか、「らん!」という台詞とともに小刀で斬るといった描写も追加された。火縄銃による狙撃の名手でもある(原作では銃器を扱う描写はないが、本作では原作の金悟洞〔原作の「唐入り編」以降に慶次の配下となる、明生まれの元偽倭寇の殺し屋で精妙な射撃術を誇る鉄砲使いでもある。〕の役割も担当している)。物資調達や交渉術など世渡りに長け、世間一般の事例処理はほぼ全て彼が受け持つ。慶次が前田家を出奔した後に住み着く屋敷は捨丸が手配したものである。一見するとひょうきんなお調子者だが、内実は非常に思慮深く誠実な人物。本作では嘘をつくと無意識に両目が外を向いてしまうという癖と戦闘の際には「たらら〜」と鼻歌を歌う癖が追加されている。また慶次曰く「案外と誇り高い男」。慶次を殺した手柄で侍になることが夢だったが、主馬との再会でその機会を得た際、慶次の人柄を改めて知り「正々堂々と戦って殺らなきゃ罰があたる」と殺すことを思いとどまった。その後、慶次を殺そうとする意思・行動の描写は特にない。 ; 岩兵衛 : 声:-/吉水孝宏 : 本作オリジナルキャラクター。原作では慶次の上京後に登場する「骨」を先行の読切版で登場させてしまったため、代わりに登場した。物語後半では金悟洞の代役ともなっている。鬼のような顔をした七霧の里の住人。おふうの育ての親でおふうを連れ戻そうと慶次の命を狙っていたが、やがて慶次の人柄に惚れ込み家来となる。恐ろしげな容姿とは裏腹に、非常に純粋で心優しい男。かつて愛していたお雪の娘であるおふうを唯一無二の大切な存在と思っており、彼女のためならばいかなる危険も顧みない。人の心を読むという異能の力を持つが、その力が通用しなかったり、並外れた殺意を読み取ってしまった相手には恐怖することもある。巨体と並外れた怪力を生かした拳撃や蹴りを得意とし、その威力は鎧に身を包んだ兵士ですら徒手で打ち殺すほど。体術にも長け、素手で手裏剣を払い落とす、関節を外しての上体そらしで斬撃を回避する、木を垂直に駆け上るなど抜群の身体能力を見せつけ初対面の慶次を驚嘆させた。 ; おふう : 声:渕崎ゆり子/陰山真寿美 : 本作オリジナルキャラクター。耳そぎ願鬼坊にさらわれ〔しかし、後に村長がおふうを川に流すよう指示しており、さらに岩兵衛が母親のお雪が七霧の里におふうが戻ってくるのを待ち続けていたとも発言している。〕、耳削ぎと耳持ちをやらされていた少女。外見は7~8歳前後の子供に見えるが、実年齢は少々上の14~5歳程度であることが作中で判明する。当初は表情も暗く喜怒哀楽を表に出さなかったが、願鬼坊が慶次に倒されてからは感情を取り戻し、合戦以外では慶次らと行動を共にするようになる。良識あるしっかり者で、慶次や捨丸に対して突っ込み役に回る事もしばしば。慶次に対して仄かに憧れの念を抱いているらしく、遊女らに囲まれ楽しげな慶次を見て不機嫌な様子で「だらしない」と言い、骨には心の内を見透かされ「妬いているのか」とからかわれている。本作品で京訛りの言葉を常用している数少ない人物の一人である。後に公家の男性と七霧の里の女・お雪との間に生まれたという出生の秘密が明らかになり、七霧の里へと戻り慶次一行と別れた。七霧の一族に伝わる異能の力を色濃く受け継いでおり、遠く離れた所にいる人物の心中を正確に言い当ててみせ、七霧の長を驚嘆させた。おふうという名の人物は、隆慶一郎の別作『影武者徳川家康』、『かくれさと苦界行』の両作品にも登場する。 ; 利沙 : 声:-/桑島法子 : 与四郎と涼花との間に生まれた娘。南蛮の血が入った絶世の美女で、カルロスや慶次が琉球を目指すきっかけとなる。しかしその美貌ゆえに、琉球国で利沙を巡り壮絶な争いが繰り広げられた。後に海を渡り、京で慶次と生活を共にするようになる。女神と呼ばれるほどの清らかな心の持ち主であり、その優和な人柄と深い愛情で周囲の人々の心を癒していく。母から習った胡弓が得意。原作の伽姫〔慶次が朝鮮から連れ帰り共に暮らした伽耶の王家の末裔と自称する女性。〕に相当する本作オリジナルキャラクター。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「花の慶次の登場人物」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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