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花鳥余情 : ミニ英和和英辞書
花鳥余情[かちょうよせい]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [はな]
 【名詞】 1. flower 2. petal 
花鳥 : [かちょう]
 【名詞】 1. flowers and birds 
: [とり]
 【名詞】 1. bird 2. fowl 3. poultry 
: [よ]
  1. (n,suf) over 2. more than
余情 : [よじょう]
 【名詞】 1. suggestiveness (of a poem) 2. lingering charm 3. lasting impression
: [じょう]
 【名詞】 1. feelings 2. emotion 3. passion 

花鳥余情 : ウィキペディア日本語版
花鳥余情[かちょうよせい]
花鳥余情(かちょうよせい、かちょうよじょう)とは、一条兼良による源氏物語の注釈書である。
== 概要 ==
一条兼良は、『源氏和秘抄』〔「源氏和秘抄」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、pp.. 339-340。 ISBN 4-490-10591-6 〕、『源氏物語之内不審条々』〔「源氏物語之内不審条々」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、pp.. 306-307。 ISBN 4-490-10591-6 〕、『口伝抄』、『源氏物語年立』〔「源氏物語年立」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、pp.. 301-302。 ISBN 4-490-10591-6 〕など、源氏物語について多くの著作を持っているが、その中でも本書は一条兼良にとっての源氏物語についての最も体系的な著作である〔中野幸一「解題」『源氏物語古註釈叢刊 第2巻 花鳥余情 源氏和秘抄 源氏物語之内不審条々 源語秘訣 口伝抄』武蔵野書院、1978年(昭和53年)12月、pp.. 469-474。 〕。なお、一条兼良は後に本書の秘伝書として『源語秘訣』を著している〔「源語秘訣」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、pp.. 99-103。 ISBN 4-490-10591-6 〕。
本書は1472年(文明4年)の兼良が71歳のときの成立とされる。兼良は1467年(応仁元年)の応仁の乱の勃発してまもなく一条室町にあった邸宅とその書庫「桃花坊文庫」が焼失したため、奈良興福寺大乗院門跡を勤めていた息子の尋尊を頼って奈良に赴き、応仁の乱が治まるまでの本書執筆の前後約10年間奈良に居住していた。本書や本書と並んで兼良の代表的な著作とされる日本書紀の注釈書である『日本書紀纂疏』はいずれもこの公職に就いていない閑居時代の著作である。なお、本書は1472年の成立後も何度か加筆訂正が行われていたため現存の写本には1472年(文明4年)の成立後間もない時点で兼良の手元にあった本を写した写本を元にした「初稿本系統」、1476年(文明8年)時点で兼良の手元にあった本を写した写本を元にした「再稿本系統」、1478年(文明10年)時点で後土御門天皇に献上された写本を元にした「献上本系統」等が存在する。なお、その他に宗祇によって作られた「花鳥余情抄出」と題された本書の抄出本についても、本文が本書の抄出文のみで構成されており宗祇自身の説は一切加えられていない〔「花鳥余情抄出」井伊春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、p. 60。 ISBN 4-490-10591-6 〕ため、「抄本系統」ないし「抄出本系統」と呼び、花鳥余情の本文の一系統とすることもある。
源氏物語の注釈史の中で、平安時代末から江戸時代末までの古注釈の時代を三分するときは、源氏物語の注釈の始まりとされる『源氏釈』から『河海抄』までのものを「古注」、『湖月抄』以後江戸時代末までのものを「新注」と呼ぶのに対して、この『花鳥余情』から『湖月抄』までのものを「旧注」と呼んでいる。
本書は、後世『河海抄』と並び源氏物語の注釈書の双璧とされたが、本書の執筆は『河海抄』の書写と並行して行われており、また本書の序文においては「『河海抄』の足りない部分、誤っている部分を正しくするため著した」と述べているなど『河海抄』を常に意識して書かれたとされている〔三田村雅子 「一条兼良の『花鳥余情』」『記憶の中の源氏物語』新潮社、2008年12月、pp.. 276-278。 ISBN 978-4-10-311011-8 〕。
また、本書が今川範政の『源氏物語提要』本文をそのまま引き写した部分があることについて批判〔伊井春樹『源氏物語注釈史の研究』桜楓社、1980年11月、pp.. 190・205。 〕が存在するが、本書は兼良が先学の説を広く継承・集成した上で、先行する『源氏物語提要』の本文を摂取しながら「今案(=今日の考え方)」を示したもので、中世の学者において広く見られる手法であるとする指摘もある〔徳満澄雄「花鳥余情のおける〈今案〉説について‐花鳥余情の成立事情‐」 『北九州工業高等専門学校研究報告』第6号、1973年〕〔田村航「『公事根源』の一条兼良作について」『人文 第2号』学習院大学人文科学研究所、2004年3月。のち 田村航『一条兼良の学問と室町文化』勉誠出版、2013年2月。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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