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苧うに(おうに)は、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』で描かれている日本の妖怪。 口が耳まで裂けた鬼女のような顔をした妖怪で、全身が毛に覆われている。解説文などはなく、どのような妖怪であるかは不明である〔高田衛監修 稲田篤信・田中直日編 『鳥山石燕 画図百鬼夜行』 国書刊行会、1992年、86頁。ISBN 978-4-336-03386-4。〕。 江戸時代の妖怪絵巻のひとつ、『百怪図巻』には「わうわう」の名で描かれており、先行する絵巻の図を参考に石燕が描いた妖怪であると考えられる。「苧うに」の「苧」(お)とは植物のカラムシ、あるいはカラムシや麻の繊維から作られた糸を束ねた房を意味しており、この妖怪の髪や体毛が積み上げた苧を連想させることから、石燕が「苧うに」と名づけたといわれる。 石燕よりも後の時代に描かれた『百鬼夜行絵巻 (松井文庫)』では、「うわんうわん」の名で描かれている〔。 == 山姥 == 『画図百鬼夜行』や『百怪図巻』などに解説がないため、どのような意図で描かれた妖怪であるかははっきりしていない。しかし、前述の「苧」と関連をして越後国(現・新潟県)の西頸城郡小滝村などに以下のような伝承があることから、各地に伝承されている糸つむぎを手伝った山姥などを取り込んで「苧うに」という名称がつけられたのではないかとも考えられている。 山岸七兵衛という男の家に女たちが集まり、麻で苧を績(う)んでいると、姥が現れ「俺も績んでやる」と言って手伝いを始めた。山姥は麻を噛んでは糸を引き出し、あっという間に大量の苧を績んでみせた。手伝いを終えた山姥は家を出た。女たちが後を追ってみたが、姿は忽然と消えていた。しかしこの家のそばの石には、現在でも山姥の足跡が残っているという〔。 以上のことなどを受けて、苧うにを山姥の仲間の一種であると解説している妖怪の文献も存在する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「苧うに」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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