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英仏大陸棚事件(えいふつたいりくだなじけん、英語:Case concerning the delimitation of continental shelf between the United Kingdom and the French Republic、フランス語:Affaire de la délimitation du plateau continental entre Royaume-Uni et République française)は、英仏海峡、ドーバー海峡、大西洋におけるイギリスとフランスとの間の大陸棚の境界線をめぐり争われた国際紛争である〔井口(2001)、90頁。〕。両国は1975年7月10日に仲裁契約を締結して国際仲裁裁判所を設立し、1977年6月30日に仲裁裁判所は問題の海域における大陸棚の境界画定を行った〔〔筒井(2002)、19頁。〕。この境界画定は、まず両国の本土に中間線を引き、両国間に点在する島々を考慮して中間線に修正を加えたものであった〔〔古賀(2009)、175頁。〕。 == 経緯 == 大陸棚の境界画定について、1958年に採択された大陸棚条約第6条では以下のように規定された。 イギリスは1964年5月11日に、フランスは1965年6月14日に大陸棚条約を批准したが、フランスは同条約の批准に際して上記第6条に規定されるいわゆる等距離原則は、ビスケー湾などの海域には適用されないと留保を行っていた〔古賀(2009)、173頁。〕。以下にフランスの留保を引用する。 このフランスの宣言に対しイギリスは異議を申し立てたのである〔。1970年に両国は境界画定問題を解決すべく外交交渉を開始したが、この交渉では西経30度より西の海域については合意することができなかった〔。そこで両国はパリで首脳会談を行い、1975年7月10日にこの境界画定問題を仲裁裁判に付託することを定めた合意文書に署名した〔井口(2001)、90頁。〕〔18 RIAA, p.4.〕。 1969年の北海大陸棚事件国際司法裁判所判決では、上記大陸棚条約第6条に規定された等距離原則の規則は、大陸棚の境界画定に適用される唯一の原則ではなく同条約を批准していない国々にも適用される慣習国際法とはなっていない旨を判示し、大陸棚の境界画定は衡平原則に従い領土の自然の延長となる部分を各国にできるだけ多く割り当てる仕方で、合意によって行われるべきとされた〔杉原(2008)、154頁。〕。この北海大陸棚事件の後の1973年から行われた第3次国連海洋法会議では、大陸棚の境界画定は等距離・中間線によってなされるべきと主張する等距離原則派の国々と、等距離・中間線のみによって境界画定を行うと海岸の地形によっては不衡平な結果が生じうるため境界画定は衡平原則によって行うべきとする衡平原則派の国々とが激しく対立した〔杉原(2008)、154-155頁。〕。1983年に終了した第3次国連海洋法会議で採択された国連海洋法条約第83条第1項では結局等距離原則にも衡平原則にも言及しない形のものとなったが〔、英仏大陸棚事件はこの第3次国連海洋法会議が行われているさなかに争われたものである〔筒井(2002)、132頁。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「英仏大陸棚事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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