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苻法[ふ ほう]
苻 法（ふ ほう、Fú Fǎ、? - 357年?）は、五胡十六国時代の前秦の皇族で、第3代皇帝の苻堅（天王）の庶長兄。苻雄の庶長子である。末弟に苻融（陽平哀公）がいる。
字は永則で、小字（幼名）は阿法。諡号は献哀王。
== 生涯 ==
初めは東海公となる。伯父の苻健の代に後将軍に任じられ、清河王に封爵される。妾腹の長男だったが、弟の苻堅よりも聡明で人望があったという。やがて使持節侍中・都督中外諸軍事・丞相・録尚書事を歴任する。
355年に伯父・苻健が病没して、その第3子の苻生が即位すると、苻生は従弟に当たる有能な苻法・苻堅兄弟を誅殺すべく動いた。しかし暴君の苻生は人望がなく、重臣たちに怨まれていたため、かえって苻法・苻堅兄弟を擁立して、357年に逆に苻生は殺害された。
苻生が殺害された後に、苻法は突然異母弟の苻堅に対して「そなたが嫡子だから、私に構わずに即位するがよい」と述べたという。だが兄思いの苻堅は「いえ、兄弟順では兄上が即位して妥当です」と述べて、相互に譲らなかったという。結局、この課題は決着がつかなかったが、これを危惧した人物がいた。苻堅の生母の荀氏である。彼女は亡夫の苻雄の正妻である。彼女から見て腹を痛めて産んだわが子の苻堅の可愛さから、継子の苻法が目障りだったのである。やがて荀氏は同年の冬11月、寝ている最中の苻法を、部下の李威に命じて惨殺させた。尊敬する兄の死を聞いた苻堅は慟哭して血を吐いたという。兄が亡くなったので、苻堅が前秦の皇帝になった。一説では苻堅は兄のことを偲んで、帝と称せず天王と称したといわれる。また、亡兄の子で甥の苻陽・苻敷兄弟に王位を与えたという。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』
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