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菊酒(きくざけ)とは重陽の節句(いわゆる「菊の節句」)に飲む菊の花を浸した日本酒のこと。 == 菊と長寿 == 菊酒のルーツはおそらく、3世紀ごろには成立していた中国の伝説であろうと考えられている。 魏の武将鍾会は自作の詩の中で菊の美点を列挙し「菊酒は神仙の飲み物」と謳い、また後世の民間伝承では、魏の初代皇帝曹丕は幼時は非常に虚弱で長生できないと思われていたが、菊酒を勧められて服用した後は強健となり長じて魏の皇帝となったという。 日本へは平安時代に中国から伝わり〔中江 (2008) 119頁。〕、宮中の儀式として貴族は重陽の節句に「菊の着綿」といって菊の花にかぶせた真綿で体をこすって健康を祈った。その際天皇が臣下に菊を浸した酒を下賜し、体をいたわった〔神崎 (2005) 168頁。〕。 江戸時代には諸大名が重陽の節句に長寿を願って9月9日に登城して祝儀を菊酒で祝うようになり、その習慣は庶民にも広まった〔。農山村においては、特に秋祭りと結び付けられてこの習慣が定着した所が多いものの、江戸などの都市部では定着するに至らなかったのではないかと考えられている〔神崎 (2005) 170頁。〕。 ちなみに菊に薬効があるとして、現代の中国でも菊の花を乾燥させて茶葉に混ぜるなどした「菊茶」が飲まれるが、日本の菊酒の場合は普通生花を使う。 現在は日本の一部の料亭などで食用菊を浮かせた菊酒が客に供されることがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「菊酒」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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