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蓬左文庫本源氏物語(ほうさぶんこほんげんじものがたり)とは、源氏物語の写本のこと。現在名古屋市蓬左文庫に所蔵されているためこのように呼ばれる。蓬左文庫とは、尾張徳川家に伝来した数多くの書物を収蔵している文庫であり、源氏物語の写本についても揃い本から零本まで数組の写本が存在する。 == 蓬左文庫本所蔵の源氏物語の写本 == 現在蓬左文庫に所蔵されている源氏物語の写本としては以下のようなものがある。 *河内本の本文を持つ代表的な写本とされる尾州家本源氏物語と呼ばれている写本 *「松風」〔大津有一「諸本解題 蓬左文庫蔵伝越部局筆松風巻」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』p. 144。 〕・「竹河」〔大津有一「諸本解題 蓬左文庫蔵伝為家筆竹河巻」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』p. 144。 〕・「総角」〔大津有一「諸本解題 蓬左文庫蔵伝源三位頼政筆総角巻」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』p. 143。 〕・「浮舟」〔大津有一「諸本解題 蓬左文庫蔵伝為家筆浮舟巻」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』p. 144。 〕の4帖からなる零本。いずれも鎌倉時代の書写と見られる写本ではあるものの、伝承筆者も藤原為家(竹河・浮舟)・源頼政(総角)・越部局(松風)と異なっており、また本文系統も総角は青表紙本、浮舟は河内本、竹河及び松風は別本と異なっており、元から一組の写本であったのかどうかは定かではない。但し江戸時代ころにはこの4帖はそろって京都の公家である烏丸家のもとにあり、さらにはこのころには現在国立歴史民族博物館の所蔵となっている中山本とも一組のものであったと見られるが、中山本と同様に明治30年代に烏丸家から流出し、このときにはこの4帖は平戸の松浦家のものになり、その後大正末年ころに尾張徳川家のものになり蓬左文庫に入ったものであるという〔池田利夫「蓬左文庫蔵古写本源氏物語四帖」『日本古典文学影印叢刊18 源氏物語古本集』1983年10月。のち『源氏物語の文献学的研究序説』笠間書院、笠間叢書222、1988年12月、pp.. 111-130。 〕。源氏物語別本集成に「蓬左文庫本」として収録されている「松風」・「総角」・「浮舟」巻及び河内本源氏物語校異集成に「蓬左文庫本」として収録されている「竹河」巻はこの写本のことである。 *天正8年の奥書を持つ紹巴筆とされる34帖が現存する写本。〔大津有一「諸本解題 蓬左文庫蔵紹巴筆源氏物語」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』p. 143。 〕 *天文2年の奥書を持つ青表紙本系統の本文を持つ54帖の揃い本。以下で詳述。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「蓬左文庫本源氏物語」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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