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『薔薇と海賊』(ばらとかいぞく)は、三島由紀夫の戯曲。全3幕から成る。女流童話作家のヒロインと、童話ファンの白痴の青年との恋愛劇である。現代風俗の跋扈する時代に、性欲を嫌悪する女と性欲を持たない男の恋を設定し、ロマンチック時代と同等の甘い恋の場面を表現させている〔「『薔薇と海賊』について」(文学座プログラム 1958年7月)。、〕。 1958年(昭和33年)、文芸雑誌『群像』5月号に掲載され、同年5月30日に新潮社より単行本刊行された〔井上隆史「作品目録」()〕〔山中剛史「著書目録――目次」()〕。初演は同年7月8日に文学座により、第一生命ホールで上演され、週刊読売新劇賞を受賞した〔山中剛史「上演作品目録」()〕〔鈴木晴夫「薔薇と海賊」()〕。その後1986年(昭和61年)2月25日に新潮文庫より『熱帯樹』に収録された〔みなもとごろう「薔薇と海賊」()〕。 1970年(昭和45年)10月の再演時に、三島が客席で涙を流しながら観ていたという挿話がある〔中山仁「三島戯曲を演じる」()、〕〔「夏のある日」()〕〔「第六章」()〕。 == 作品成立・主題 == 構想の母胎は、三島がニューヨークで見たロイヤル・バレエ団(旧・サドラース・ウエルス・バレエ団)の『眠れる森の美女』終幕のディヴェルティッスマンからの着想である〔「あとがき」(『薔薇と海賊』新潮社、1958年5月)。、〕。当初は『月のお庭』という題にする予定だったが、『薔薇と海賊』となった〔。 三島は、『鹿鳴館』を「ロマンチックな芝居」だとすれば、『薔薇と海賊』は、「私流にずつとリアリスティックな芝居」だと述べ〔「薔薇と海賊について」(毎日マンスリー 1958年4月号)。、〕、『薔薇と海賊』の主題に関わる〈薔薇〉については、次のように解説している。 また眼目は、ラブ・シーンにあるとし、その感情は「真率で、シニシズムも自意識も羞恥も懐疑も一つのこらずその場から追つ払はれてゐなければならない」として、以下のように、説明している。 1970年(昭和45年)10月に再演された際に三島は、主演の村松英子に、「随分前に書いた芝居だけど、僕はいつも25年は早すぎるのかなあ」、「最近ますます、何て世の中は海賊ばかりだろうって思うよ」と語っていたという〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「薔薇と海賊」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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