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薫 : ウィキペディア日本語版
薫[かおる]

(かおる)は、紫式部の物語『源氏物語』に登場する架空の人物。いわゆる第三部「宇治十帖」の中心人物の一人。薫の君(かおるのきみ)、薫大将(かおるだいしょう、かおるのたいしょう)とも。「薫」は本名ではなく、生まれつき身体にえもいわれぬ芳香を帯びていたことに因む通称。
表向きは光源氏の次男(実は柏木の長男)。母は源氏の正妻・女三宮
== 人物 ==
源氏48歳の春に誕生(「柏木」)。産養が盛大に行われるが、彼の誕生は決して喜ばれたものではなかった。母である女三宮は彼を出産後に突然出家し、また父・源氏も過去の因果が忘れられず、表向きは可愛がるもうちとけられずにいた。六条院で育ち、源氏没後は、子のない冷泉院(表向きは桐壺帝の第十皇子。実は源氏の子)と秋好中宮に実子同然にかわいがられ育つ。14歳で元服、二月に中将、秋に右近中将、19歳で宰相中将と順調に昇進。幼馴染の匂宮と並び、「光る君」と呼ばれた光源氏の栄華を継ぐ者として、世間では「匂う兵部卿、薫る中将」と呼ばれている(「匂宮」)。
高貴の出自で、恵まれた環境で育ったが、幼いころから自己の出生に疑念を感じ、悶々とした日々を過ごしていた。仏道に帰依しだすのもこの頃からで、ある時宇治に俗聖(出家せず俗のまま戒律を守り仏道修行する人)がいるという噂を聞き、宇治八の宮(桐壺帝の第八皇子。光源氏の異母弟)邸を訪れる。ここから始まるのがいわゆる「宇治十帖」である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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