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藤尾 茂（ふじお しげる、1934年10月8日 - ）は、昭和中期（1950年代後半-1960年代前半）のプロ野球選手（捕手、外野手）。 == 来歴・人物 == 小学校時代から中田昌宏とバッテリーを組み〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』149頁〕、に鳴尾高に揃って入学。の春の選抜では六番打者、三塁手として出場。決勝に進出するが鳴門高に9回サヨナラ逆転負けを喫した。1年上のチームメートに山田清三郎、鈴木武がいる。翌の春の選抜では正捕手となり準決勝に進出するが、またも鳴門高に敗れる。この大会では1試合で6度の牽制・盗塁刺を記録して高校生ベストナイン捕手に選出された〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』150頁〕。 に読売ジャイアンツに入団。2年目のからベストナイン捕手であった広田順の控えとなる。には51試合にマスクを被って打率.286と、広田（.222）を大きく上回る成績を残す。さらに、同年の南海との日本シリーズでは、巨人が1勝3敗と追い詰められた第5戦に広田に代わってマスクを被って3番に抜擢され、初回に先制3点本塁打を放つ活躍で巨人の日本一に大きく貢献、藤尾はそのまま捕手のレギュラーポジションに定着した。翌からは6番を打って、打率.276（リーグ5位）、14本塁打、打点58を挙げ、3部門ともリーグ5位以内に入り、オールスターゲームにファン投票で選出されるとともに、ベストナインも獲得した。も前半戦は好調であったが、8月の阪神戦（甲子園）で満員の観客をバックスクリーンに入場させたことから、阪神の渡辺省三のシュートを避けきれずに顔面に死球を受ける〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』200頁〕。このアクシデントにより約1ヶ月戦列を離れた上に後遺症から調子を崩して〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』202頁〕、105試合の出場に留まり、打率も.256と成績を落とした。は外角球に対して逆らわずに右翼へ打て、との川上哲治の助言を受けて死球の後遺症によるスランプを脱し、打率.283（リーグ5位）、11本塁打、58打点と好成績を残す。この年も投票総数153票のうち149票の圧倒的な支持を集め3年連続のベストナインに選出された〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』211頁〕。 のシーズン前に、川上哲治ヘッドコーチにインサイドワークを認められた森昌彦が正捕手とされ〔『巨人軍に葬られた男たち』160頁〕、藤尾は俊足と持ち前の長打力を生かす目的もあり、引退した川上の後釜として一塁手に移った与那嶺要に替わって、守備の負担の少ない外野手にコンバートされ〔『巨人軍 陰のベストナイン』56頁〕、5番打者としてクリーンナップを打った。しかしこの年も藤尾は捕手として36試合に出場し、オールスターゲームファン投票の捕手部門で1位になるとともに、ベストナイン捕手にも選ばれた。打撃を活かすためのコンバートであったが、打たなくてはならないとの意識が力みを生んで夏場にスランプに陥り〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』234頁〕、打率は.264（リーグ14位）に終わったが、チーム2位の70打点を挙げた。は開幕からハイペースで本塁打を打ち、5月28日には早くも10号を放ちリーグのトップを快走する〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』240頁〕。しかし、6月から極端なスランプに陥り、終盤に左足首の捻挫で戦列を離れるなどもあって、5月末以降は5本しか打てず、結局打率.245、15本塁打、54打点に終わる。 には川上新監督の下で主将を務め、捕手に復帰するが、この頃より急激な打撃不振に陥る。同年夏には逆転本塁打を打たれた伊藤芳明を投手コーチの別所毅彦が叱責しようとしたところを庇ったことが首脳陣批判ととられて、罰金の上に主将を剥奪される〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』250頁〕などもあって89試合の出場に留まる。には急激に出場機会が減少する中で、なぜ藤尾を使わないのかと調べ回っていた新聞記者に対して、ある首脳陣が（森に比べて）藤尾はインサイドワークが悪いと洩らす。そのため、マスコミに藤尾は頭が悪いとの表現で喧伝されてしまい、藤尾は精神的にも不安定になり大きく調子を崩した〔『巨人軍 陰のベストナイン』65頁〕。追い打ちをかけるように、同年6月の阪神戦（札幌市円山球場）で左翼の守備時に打球を追って右鎖骨を骨折して3ヶ月間出場できず、治癒後も強肩を誇った右肩がすっかり弱ってしまった〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』255頁〕。は春の宮崎キャンプで前年度負傷した右肩を再び痛め、6月後半にようやく一軍ベンチ入りする。出場は25試合に留まったが、同年19勝を挙げて沢村賞を獲得した伊藤芳明とよくバッテリーを組み、伊藤が挙げた勝利の約半分の9勝が藤尾がマスクをかぶった際のものであった〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』262頁〕。には公式戦出場のないままシーズン終了後に現役を引退した。 引退後は、金融業・不動産業への勤務を経て、1977年にゴルフ用品を扱う上山実業に入社〔『巨人軍 陰のベストナイン』76頁〕。また、サラリーマン生活の傍らで西宮市にあるスポーツクラブの鳴尾クラブの館長を務め、休日に小中学生に野球の指導を行っていた〔『プロ野球・燃焼の瞬間 -宮田征典・大友工・藤尾茂-』279頁〕。1987年に京都府の総合リゾート施設レイクフォレストリゾートの理事兼支配人に就任したのち〔森岡浩編著『プロ野球人名事典 1999』日外アソシエーツ〕、三重県鈴鹿市のゴルフ場・鈴鹿カンツリークラブの副社長を務めた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「藤尾茂」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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