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藤戸 : ミニ英和和英辞書
藤戸[ふじと]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ふじ]
 【名詞】 1. wisteria 
: [と]
 【名詞】 1. door (Japanese-style) 

藤戸 : ウィキペディア日本語版
藤戸[ふじと]

藤戸(ふじと)は、かつて吉備国、あるいは備前国および備中国にわたって存在した海域である。広義では、その海浜や港のことも指す。藤門藤ノ戸藤ノ門藤戸の海藤門の海藤戸の鳴門藤門の鳴門などとも称された。現代では藤戸海峡と称されることもある。他に藤戸浦(ふじとうら)とも呼ばれるが、これは現在の倉敷市藤戸町藤戸にあたる海浜集落(のちの藤戸村)を指すことが多い。
その海域は、河川の堆積作用や干拓にのために時代により広狭変遷し、江戸時代中期頃に新田干拓により消失し陸地化・河川化した。
==概要==
元々、岡山県南部一帯に広がる岡山平野は海であり、その中南にある児島平野は児島という島であった。本土と児島の間の海域は、吉備穴海(きびのあなうみ)と呼ばれていた。児島の中央北端にある半島部の北には天城島(あまきしま)などの小島があった。その半島部と小島の間は海峡になっており、この海峡をフジトと呼んだ〔岡山県大百科事典編集委員会編集『岡山県大百科事典』山陽新聞社、1979年〕。
名称の由来は、水流が急流であったため、海底が段々と運ばれた土砂により浅くなっていたため、潮汐の干満に応じて海流が乱流となり、遠くから望むとその様子が藤の花が風に斜なるが如くであったため、藤の門(ふじのと)と呼ばれるようになり、後に藤門・藤戸へと変化したといわれる。ト(戸・門)は、海峡を意味する〔藤戸町誌編集委員会『藤戸町誌』昭和30年〕。
東備郡村志』には「上昔、備前の内海埋らず広かりしときは、これを吉備の穴海と云て、此藤戸の辺は迫戸にて、西備中の海に連れり。・・・其穴門穴済など云へるは是上古藤戸の地也。然るに中古に至て藤戸と名けたるは、相伝ふ、元来此海迫戸なれば水甚だ急流なるに、源平戦の頃に至て、海底梢埋り浅かりければ、潮汐の張落に応じ波又自ら乱流し、これを望むに藤花の風に斜なるが如くみゆ。依て其名を得る所也」と出ている〔原三正『藤戸』日本文教出版(岡山文庫)、平成3年〕。
貝塚の場所から、元々藤戸の海はかなり深かったとされ、当時は現在の酒津あたりに河口があったとされる高梁川の堆積作用により、海底が次第に浅くなったと考えられている。藤戸は酒津の南東方向にあるが、酒津付近の河口より、徐々に南東へ干潟が広がっていき、それに導かれるように土砂が運ばれてきたと推測される〔。
高梁川は酒津で南東の方向に向かって流れてくるが、ここで急に直角に曲げられて中南の方向に向かって流れていく。しかし上古酒津のあたりまで海であったころは、そのまま南東に向かって海の中に注ぎ込んでいた。それが潮の干満に誘われて、真直に藤戸海峡に土砂を運んで来た。そして、酒津付近からだんだん陸化していったが、川の流れは方向を変えないで現在の倉敷市街地付近から藤戸海峡に注ぎ込んでいた。その水域は、おおむね現在の倉敷用水倉敷川の周辺であると推測される〔。
また『源平盛衰記』長門本には「源氏は備前備中両國の堺。西阿智河尻藤戸の渡に押寄て陣を取。云々」と記している〔。また『吾妻鏡』(元暦元年一二月七日条)は「藤戸海路三丁余」、『平家物語』(巻一〇)では「二五町ばかり」、『源平盛衰記』(巻四一)には「海上四五町」とある〔下中直也 『日本歴史地名体系三四巻 岡山県の地名』平凡社、1981年〕〔。
この南東に向かって注いでいた高梁川が、いつ頃から真南に流れる東高梁川(現在は廃川)に移っていったかは、それは藤戸海峡一帯が、高梁川の押し流してくる土砂と、土地の自然の隆起とによって浅くなり、さらに戦国時代末期からの江戸時代にかけて徐々に行われていった干拓により、高梁川の流水を十分に児島湾に誘い込むことができなくなってからと推定される。洪水などの場合、氾濫した河水は藤戸海峡から児島湾へ殆ど勾配のない水路でははけ切れず、それよりも少し勾配のある旧河道(東高梁川)を見付けて、次第に本流がその方向を変えたものと考えられる〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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