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数学では、虚数乗法(complex multiplication)は、整数環よりも大きな自己準同型環を持つ楕円曲線 E の理論をいう。また、アーベル多様体(abelian variety) A の高次元版での虚数乗法は、詳細な意味で十分な自己準同型を持っている(詳細な意味とは、A の恒等元での接空間上の作用が、1次元の加群の直和となっていること)場合を言う。別な方法でいうこともでき、(period lattice)がガウス整数の格子であったり、アイゼンシュタイン整数の格子であったりするような、余剰な対称性を持つ楕円函数の理論である場合を言う。 そのような多変数複素解析函数の楕円函数やアーベル函数は、非常に特殊であり、余剰(な対称性)と同一視することができ、特別な点では明確に計算可能な特殊値を持つので、特殊関数の理論に属すという面も持っている。虚数乗法は代数的整数論の中心的なテーマとなり、円分体の理論を広い応用範囲を持つことを可能としている。 虚数乗法は、虚二次体の類体における相互法則、主イデアル定理、分岐の様子を、楕円函数や楕円曲線のことばで具体的に書き表すことを可能とする。ダフィット・ヒルベルト(David Hilbert)は、楕円曲線の虚数乗法論は数学のみならず、すべての科学の中の最も美しい分野であると言っている。 ==虚二次拡大の例== 虚数乗法の典型例となる虚二2次体 の場合を考える。 楕円函数 の 2つの周期 とする。 の中の全ての に対して、 と との間に代数的関係式が存在するとき、楕円函数(楕円曲線)は虚数乗法を持っているという。 逆に、クロネッカー(Kronecker)は、 の全てのアーベル拡大は、虚数乗法をもつ楕円曲線を適当に選ぶと、その方程式(の根)から得ることができるのではないかと予想した。これがクロネッカーの青春の夢やヒルベルトの第12問題として知られている。
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