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虫は死ね : ミニ英和和英辞書
虫は死ね[むしはしね]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [むし]
 【名詞】 1. insect 
: [し]
  1. (n,n-suf) death 2. decease 

虫は死ね : ウィキペディア日本語版
虫は死ね[むしはしね]

虫は死ね』(むしはしね)は、1963年(昭和38年)11月10日TBS系列東芝日曜劇場」にて放送された単発のテレビドラマ。制作は北海道放送(HBC)。安部公房が脚本を務め、市原悦子が主演を務めた。
撮影は、同年の9月14日から21日まで、羊蹄山の麓の真狩村を中心にオール・ロケーションで行なわれた〔。全編フィルム収録。
昭和38年度芸術祭奨励賞受賞作品。ドラマ本編の映像は保存されており、横浜市放送ライブラリーにて無料で閲覧することができる。脚本テキストは1964年(昭和39年)、現代芸術協会雑誌「テレビドラマ」に掲載された〔「作品ノート17」(『安部公房全集 17 1962.11-1964.01』)(新潮社、1999年)〕。
== あらすじ ==
ある農家の夫婦の元に、主人の姪の愛子が手伝いにやって来る。愛子は男との別れ話のもつれから気がふれ、果物ナイフで男に切りつけた事件で精神病院に入院していた。田舎にやって来てほっとする愛子は意外にほがらかで、主人は愛子にいたわりの気持を持つが、妻の方はいろいろと事件のことを根掘り葉掘り聞きだしたりする。そのとき、食卓に飛んできたを叩きつぶそうとする妻の手を、愛子は衝動的に強く払いのけ食器類がころがり落ちた。愛子はあやまるが、妻は愛子ばかりを庇う主人にいやな気分になる。
ある日、なれない仕事で掌に血まめができた愛子の手当てを、夫が親切にしてやっているところを妻は見て、徐々に愛子に反感を持つようになる。そんな折、原野にイナゴが大量発生し、村人や主人が役場に集まった。技師がスプレア機で害虫駆除薬を噴霧することになった。営林署の者が村にやって来る日、愛子が妻に何か手伝うことがないかと聞くと、昼食用にをしめてくれを命じた。鶏をなかなか捕まえられず、道に飛び出したきた愛子を、ちょうど技師たちとジープに乗って来た主人が見つけて一緒に家に戻ってきた。愛子をいたわり擁護する主人と妻が険悪になり、愛子はもう一度、試みようとを持ち鶏のいる庭に行った。鶏を追う愛子を見て、早くやれと妻は促した。そして、虫も鳥も殺せないお姫様みたいなきれい事で男をたぶらかすなんて淫売と同じだ、平気で人を殺せる人間の方がそんなふうに猫をかぶっているんだと激しく罵倒し、泥棒猫のくせに虫を殺せないのは、自分が虫だからだ、あんたは害虫なんだよと狂ったようになじった。愛子は耳をふさぎ絶叫する。
技師が薬を噴霧するスプレア機に乗って試しに主人の家に来た。珍しげに機械を見て、乗りたがる愛子と技師が楽しそうに談笑しているのを妻が忌々しげに見て、主人もやや技師に嫉妬する。愛子に運転を教える約束をして技師が帰ろうとすると、タイヤがパンクをした。カミソリで切られていた。妻は愛子を犯人あつかいしはじめ、「人間の命よりも虫の命の方が大事だという気違いがいる」と嫌味を言った。愛子は、「本物の気違いは、自分で自分のことを変だとは自覚できないんですってね……でも、私はまだ自覚できたわ」と言った。技師が困惑する中、愛子を庇う主人と妻が言い合いになり険悪なムードになった。農家を出て行く決心となった愛子を、スペアタイヤを付け技師が町まで送ろうとするが、主人が、行くんなら一人で行きなさいと言った。愛子は、「私、まだ自分が変だってことを自覚できるわ、でも、すぐにまた、自覚できなくなりそうよ」と言い残して立ち去って行った。妻は、これで昔どおり静かになったと低く呟く。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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