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蚊取り線香(かとりせんこう)とは主に蚊を駆除する目的で、線香に除虫菊の有効成分(ピレトリン)や類似のピレスロイド系成分を練り込んだ燻煙式渦巻き型の殺虫剤である。古くは蚊遣り火(かやりび)とも呼ばれていた。 == 材料・薬効 == 原料は粕粉(除虫菊の地上部分を半年間乾燥させたもの)、タブ粉、でんぷん、ピレスロイド、染料など。粉末状、棒状、渦巻状などに成形される。色は緑色がほとんど。一般には6 - 7時間燃焼するものが多いが、燃焼時間2 - 3時間程度の小巻の物や12時間程度燃焼するものもある。 使用するには先端に着火し、最初に出る炎を吹き消して燠(おき)の状態にする。このようにすると不完全燃焼によって煙が立ちのぼるようになる。この煙そのものに蚊を殺す効果があると思われがちだが、実際には燃焼部分の手前で高温により揮発する化学物質(ピレスロイド)に殺虫作用がある(煙と異なり目には見えず、周囲に拡散して殺虫効果を生じさせている)。今日、一般には化学的に合成したピレスロイドが主に使われている。除虫菊の代わりにレモングラスの成分などを使用した製品もあるが、そちらには忌避効果はあるものの殺虫効果はない。蚊取り線香メーカーによっては煙の少ないもの(逆に野外作業用で羽虫が嫌う煙の多いものもある)、花の香料(ビャクダンやバラ他)や果物の香料を練りこませたものも発売している。人間以外にペット用や、畜舎で使用する畜産用の大型などもある。 日本での主な生産地は和歌山県有田市付近などである。有田市では地元の除虫菊を使って国産の蚊取り線香を製造していた企業が1社あったが、2014年10月に製造を停止した〔国産除虫菊蚊取り、断念 採算とれず和歌山・有田の企業 朝日新聞、12月28日〕。 開発国の日本をはじめとして、その他の国々でも生産・輸出されている。アメリカではモスキートコイル(Mosquito Coil)として売られている。家庭の電化が遅れている国や地域でも火種さえあれば使用できるので、蚊をはじめとする羽虫の駆除を要する東南アジアを中心に普及し、蚊帳と共にマラリア予防に貢献している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「蚊取線香」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Mosquito coil 」があります。 スポンサード リンク
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