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補体(英:Complement)とは、生体が病原体を排除する際に抗体および貪食細胞を補助する免疫システム (補体系) を構成するタンパク質である。補体系は自然免疫に属しており、獲得免疫系のように変化することない。 補体系の役割は大きく言って # 抗原のオプソニン化 # 膜侵襲複合体による細菌の破壊 # マクロファージ等への走化性刺激 の3つである。 補体系は血液中の多数の小タンパク質からなり、それらは通常不活性な酵素前駆体の形で循環している。いくつかのトリガーの1つによって刺激を受けると系のタンパク質分解酵素が特定のタンパク質の分解反応を行い、サイトカインの放出を誘導し、さらに分解反応が進むようにカスケードの増幅を始める。この活性カスケードの最終結果は反応の大規模な増幅であり、細胞殺傷性の膜侵襲複合体(細胞膜障害性複合体、MAC, membrane attack complex)の活性化である。補体系は20以上のタンパク質とタンパク質断片からなる。その中には、血清タンパク質、漿膜タンパク質、細胞膜レセプターを含む。これらのタンパク質は主に肝臓で合成され、血清のグロブリン分画の約5%を占める。 補体系の活性化には3つの生化学的プロセスがある:古典経路、副経路、マンノース結合レクチン経路である。 == 概説 == 補体(ほたい)とは免疫反応を媒介する血中タンパク質の一群で、動物血液中に含まれる。抗体が体内に侵入してきた細菌などの微生物に結合すると、補体は抗体により活性化され、そして細菌の細胞膜を壊すなどして生体防御に働く。補体は易熱性であり、56℃、30分の処理で失活する(非働化)。 補体と呼ばれるタンパク群には複数のタンパクがあり、英語で補体を表す "complement" の頭文字をとってC1~C9で表される。C1にはさらにC1q、C1r、C1sという3種の分子の複合体であり、その他はC5a、C5bといったような複数の分子に分解される。これらのタンパク質群が連鎖的に活性化して免疫反応の一翼を担う。 さらに、C1~C9の補体タンパク質以外にB因子、D因子などを含めた16種類のタンパク質、液性(血液中にある)の5つの調節因子(I因子、H因子、C4Bp、C1抑制因子、properdin)、細胞膜上の4種類の調節因子 (CR1、CR2、membrane cofactor protein、decay accelerating factor) などのタンパク質も補体の機能の発現・調節に関与しており、これらを総称して補体系と呼ぶ。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「補体」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Complement system 」があります。 スポンサード リンク
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