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たからは、かつて日本国有鉄道(国鉄)が汐留駅 - 梅田駅で運行していたコンテナ専用貨物列車である。 日本の鉄道貨物輸送は車扱貨物が中心であった当時において、日本初のコンテナ専用列車であった。21世紀初頭では鉄道による貨物輸送の主流となっているコンテナ輸送の先駆けとなった列車である。 編成最後尾の車掌車には、「たから コンテナ特急」と標記した円型の行灯型テールサインを装着して運行していた。 == 歴史 == 鉄道コンテナの調査研究を進めていた国鉄は1955年(昭和30年)3トンコンテナを試作し1956年(昭和31年)6月よりトラ30000形無蓋貨車を使用して汐留-梅田間で試験輸送を開始し、9月より笹島-梅田、汐留-笹島にも試験輸送を始め、それは1957年(昭和32年)3月まで続けられた。そして4月より営業開始をしたが取引単位に適合しない、運賃が割高である、コンテナの個数が少なく使用しづらいと不評で1959年(昭和34年)5月には運用を中止した。3月に5トンコンテナを試作していた国鉄は6月より同時に開発された専用貨車チキ5000形コンテナ車により汐留-梅田間で試験輸送を開始し、その結果量産型のコンテナを製作することになった〔『日本の貨車-技術発達史-』、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年、403-407頁〕。 「たから」は、1959年(昭和34年)11月5日に運行を開始した。牽引するのはEH10形電気機関車で、当時吹田操車場 - 梅田間は非電化であったためこの区間のみD52形蒸気機関車が牽引していた。チキ5500形コンテナ車(1965年の称号改正によりコキ5500形となる)24両とヨ5000形車掌車を連結した25両編成で、全長は460 m、重量1,000 t、旧規格の5 tコンテナを120個積載し、速度種別は「特急貨甲A」、最高速度85 km/h、10時間55分で汐留と梅田を結んだ。表定速度は50.7 km/hであった。列車番号は下りが第71列車、上りが第72列車とされ、下りは汐留19時35分発、梅田6時30分着、上りは梅田20時40分発、汐留7時35分着であった〔『貨物鉄道百三十年史』中巻 pp.262 - 263〕。 1960年(昭和35年)10月1日のダイヤ改正においては、コンテナ専用列車は「たから」のみであったが、それ以外の方面に運転されていた急行車扱列車にコンテナ車を併結する形で、各地にコンテナ輸送サービスを開始した。また下りの「たから」の汐留発時刻が集荷の利便性のために50分繰り下げられ、汐留20時25分発、梅田7時36分着の11時間11分運転となった〔『貨物鉄道百三十年史』中巻 pp.264 - 266〕。 1961年(昭和36年)10月1日のいわゆるサンロクトオダイヤ改正において、「たから」は2往復運転となり、上下ともそれぞれ「第1たから」「第2たから」として運転されるようになった。列車番号はそれぞれ、第51列車・第50列車(第1たから)、第53列車・第52列車(第2たから)に変更となった〔『貨物鉄道百三十年史』中巻 pp.267 - 268〕。 1964年(昭和39年)10月1日の東海道新幹線開業に伴うダイヤ改正では、新幹線に優等列車を転移させたことによって空いた東海道本線のダイヤを利用して貨物列車の増発が行われ、コンテナ専用特急貨物列車も5往復に増強された〔『貨物鉄道百三十年史』中巻 pp.275 - 276〕。 その後、急速にコンテナ貨物列車の運転は成長し、各方面に運転されるようになったが、その列車名は必ずしも「たから」とはされなかった。1966年(昭和41年)10月1日から10000系貨車を使用した貨物列車で初めての100 km/h運転列車が設定されるが、この列車名は「ことぶき」「さかえ」「あけぼの」などとされている。「たから」に由来する列車名の中では、九州へ向かう「西たから」、東北・北海道方面へ向かう「北たから」といった列車名が設定されている。また運転区間も東京側は隅田川・品川、大阪側は安治川口・湊川など多様化している〔『貨物鉄道百三十年史』中巻 pp.281 - 291〕。 1965年(昭和40年)からイギリス国鉄で開始された「フレートライナー」のサービスは、コンテナを利用してトラックと鉄道を一貫輸送サービスとして提供するもので、国鉄でもこれを参考に同様のサービスを開始することになった。1969年(昭和44年)4月25日からフレートライナーの運行が始まり、これに伴って「たから」の愛称は廃止となった〔『貨物鉄道百三十年史』中巻 pp.291 - 292〕〔交通新聞2009年11月10日〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「たから (列車)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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