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西洋度量考(せいようどりょうこう)とは、安政2年(1855年)に美濃国郡上藩主・青山幸哉の命によって編纂された西洋の度量衡の研究書。日本で最初に本格的にメートル法を紹介した書物である。 江戸時代の末期に郡上藩本(現:岐阜県郡上市)として全国に配本された一冊の本がある。表紙には「西洋度量考」とある。本の冒頭に書かれてある原文の一部を紹介すると、「夫(ソレ)尺度量衡ハ天文地理ノ測算ヨリ兵学炮術ヲ始メ算法医方其他百般ノ工技商買交易ノ途ニ至ルマデ……以下略」。この書は安政2年(1855年)、16代郡上八幡城主青山幸寛の時、後の城主青山幸哉(ゆきしげ)によって編纂され郡上蔵版として印刷されたものである。青山家はもともと徳川家康の片腕でありご意見番として信望が厚く、東京青山の名に由来する名家でもある。この本がどういう経緯で書かれたのかは不明だが、黒船の到来といった時代背景から推測すると、やはり将軍の命を受けての出版ではなかったかと思われる。 書の内容は西洋の度量衡を日本の度量衡に訳したもので、おそらく日本でのメートル法制定の基になった最初の本と思われる。本の最初の部分は、西洋の度量衡の歴史的な経過をのべ、その後アルファベットのAから順に、度・量・貨の三つの分類を附し、英文字にカタカナでルビをふり、日本での度量を書くといったまさに度量衡の和英辞典である。「C・度」のセンチメーテルでは、「英吉(イギリス)ノ四十寸ヲ百分スル者」と書かれてある。 現段階においては、日本度量学会の見解として、「おそらく過去にこの文献は発見されていないことから、重要な資料ではないか」との電話での感想を受けた。 1995年4月7日の毎日新聞は、「メートル誕生満200年」を報じた。新聞報道では「世界約180か国で使われている長さの単位「メートル」はフランスで誕生してから7日でちょうど200年を迎える」という(メートル条約を参照)。 「西洋度量考」での最初の部分には、寛政10年(1798年)フランス、イスパニア、オランダ、イタリア、デンマークらの各国の学者が集まり度量制度の改革について話し合いを行い、翌1799年に各国統一した度量を使用することになった等のことが記載されている。若き青山幸哉がそれから二十年後どのような方途で調べまとめたかは不明であるが、郡上藩主の手で「度量考」が作られ藩本として全国に配られていることは事実である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「西洋度量考」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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