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西淀川公害訴訟(にしよどがわこうがいそしょう)は1978年(昭和53年)に阪神工業地帯の主要企業10社と国、阪神高速道路公団を被告に、環境基準を超える大気汚染物質の排出差し止めと損害賠償を求めて第一次訴訟が提訴され、その後二~四次まで合計726人が原告となった大規模裁判である。 硫黄酸化物の排出原因者である企業に加えて、当時、自動車交通量の増加にともなって深刻化していた自動車排気ガスによる大気汚染をも視野に入れた訴訟であった点が特徴的である。 == 公害の発生 == 1930年代以降、日本が重化学工業化する中で、大阪市西淀川区は隣り合う兵庫県尼崎市、大阪市此花区などと並んで産業の中心となった。尼崎市や此花区には大工場が多かったのに対して、西淀川区は中小工場が比較的多く立地していた。高度経済成長期にかけて、阪神地区をつなぐ国道や高速道路が建設された。その結果、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音・振動、地盤沈下など、あらゆる公害が発生することになった。 特に1960年ごろからは尼崎市や此花区などの大工場で重油などを燃やす時に発生する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)が西淀川区に飛散し、区内の工場排煙と合わさって深刻な被害をもたらした。さらに、大型ディーゼル車などの排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)や浮遊粒子状物質(SPM)による汚染も合わさり、西淀川の公害は「複合大気汚染」といわれる。これらの汚染がぜん息などの健康被害を引き起こした。 1970年に西淀川が公害地域に指定されたことで、西淀川の企業も対策に乗り出した。大阪市は1970年から西淀川区公害特別機動隊を派遣し、その結果、硫黄酸化物の年間平均値は1969年が0.083ppmだったが、1971年には0.051ppmまで改善した。西淀川工業協会は1973年、患者救済のために、西淀川区の企業101社から総額3億円にのぼる拠出金(汚染付加量賦課金)を集めて、大阪市に寄付した。これを財源として大阪市は「公害被害者の救済に関する規則」を制定し、西淀川区の公害患者に生活費を給付した。これらは1973年に公害健康被害補償法ができる間までのつなぎの役割を果たした。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「西淀川公害訴訟」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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