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西湖コウモリ穴(さいこコウモリあな)は、山梨県南都留郡富士河口湖町西湖地区にある、コウモリの棲息地として知られる溶岩洞穴である。 1929年(昭和4年)12月17日に「西湖蝙蝠穴およびコウモリ」の名称で国の天然記念物に指定された。天然記念物に指定された基準は、「溶岩洞穴」(''地質・鉱物'')、および「コウモリの棲息地」(''哺乳類の棲息地'')という複合的なものである。 洞穴内への無差別な立ち入りなどにより、一時はコウモリの姿がほとんど見られなくなった時期があったが、1990年代から始まった関係者による保護活動により、徐々にではあるが再びコウモリの生息が確認されるようになった。 == コウモリ穴 == 西湖コウモリ穴は、富士五湖のひとつ西湖西岸から約640メートル西側の標高925メートルに位置している。この付近は富士山北西麓に広がる青木ヶ原樹海の北東端にあたり、富士箱根伊豆国立公園の特別地域に指定された鬱蒼(うっそう)とした深い原生林の中にある。 西湖コウモリ穴の総延長は386.5メートルであるが、これは富士山麓に多数ある溶岩洞穴の中でも規模が大きく〔、洞穴の内部は複数の支洞が迷路状に発達した立体的な構造をしている。この洞穴を含む青木ヶ原樹海一帯は、864年(貞観6年)から866年(貞観8年)にかけて発生した貞観大噴火と呼ばれる大規模な火山活動によって流出した大量の溶岩流によって形成されたものである。この噴火活動は、かつて富士山北麓に存在した広大な湖である剗の海(せのうみ)の大半を埋没させたが、流れ込んだ熔岩流によって分断された形で残った湖が、現在の富士五湖のうちの2つ、西湖と精進湖である。 青木ヶ原樹海一帯に多数存在する溶岩洞穴のほとんどが、この貞観大噴火によって作られたものであるが、西湖コウモリ穴は熔岩流が湖を埋めた末端近くの場所であるため、大量の熔岩流が湖に流れ込んだ際、沸騰した湖水からガス化した水分の補給を受けることにより、複数の空洞が上下方向に連結した〔ことによって、立体的かつ迷路状の複雑な構造になったと考えられている〔。 西湖コウモリ穴周辺の植生は、ツガ、ウラジロモミ、ゴヨウマツ等の針葉樹を主体として、ミズナラ、コナラ、カエデ等の広葉樹が密生し、昼でも暗い森を作っている。このため太陽光が樹下に入らず、草木類はほとんど生育せず地表は一面コケ類に覆われている〔現地案内板〕。入洞受付から洞穴口までの数百メートルはトレイルが整備されており、これら青木ヶ原樹海特有の植生を間近に観察することができる。トレイルの終点にある凹地に西湖コウモリ穴の洞口がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「西湖蝙蝠穴およびコウモリ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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