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『詩を書く少年』(しをかくしょうねん)は、三島由紀夫の短編小説。三島の自伝的作品である〔三島由紀夫「おくがき」(『詩を書く少年』)(角川小説新書、1956年)〕。詩の天才と自認し、詩作の幸福に酩酊していた少年が、或る親しい先輩の恋愛の告白の中からその滑稽さと、自らの無意識のナルシシズムを発見し自意識に目ざめる物語〔三島由紀夫「あとがき」(『三島由紀夫短篇全集・5』)(講談社、1965年)〕。詩作に耽溺していた15歳の頃の自分を、30歳を前にした三島が冷静に顧みた私小説的作品で、少年(三島)が詩人にならずに小説家になったその転機と、三島文学全体にわたる一つの主題を考察する上で、重要な手がかりとなる作品である〔佐藤秀明「〈現実が許容しない詩〉と三島由紀夫の小説」(『三島由紀夫論集II 三島由紀夫の表現』)(勉誠出版、2001年)〕。なお、作中に登場する文芸部の先輩Rのモデルは、三島の学習院時代の先輩であった坊城俊民である〔坊城俊民『焔の幻影 回想三島由紀夫』(角川書店、1971年)〕。 1954年(昭和29年)、雑誌『文學界』8月号に掲載された。単行本は2年後の1956年(昭和31年)6月30日に角川書店より刊行された。同書には他に10編の短編が収録されている。文庫版は新潮文庫の『花ざかりの森・憂国』に収録されている。 == 執筆動機 == 「半ば自伝的な作品」だという『詩を書く少年』を執筆した動機について三島由紀夫は、自分を詩人だと信じていた少年時代の幸福感を定着しておきたいという思いもあったとして〔、次のように述べている。 また、自分が「詩人」ではなかったことを発見し、「小説家」になった転機を書いておかなければならなかったとして〔、以下のように述べている。 なお、『詩を書く少年』のRのモデルとなった坊城俊民は、当時三島と「〈詩人〉の定義」で言い争ったことがあるとし〔、「私が龍之介の文学論を盾に、最も純粋な文学者を詩人とよんだのに対し、三島は〈小説家〉と〈詩人〉を峻別して譲らなかった」と述べている〔。また、三島は自身を〈詩人〉と思い込み、坊城と手紙の交換をしていた14、15歳の頃が、「小生の黄金時代」で、その時以上の「文学的甘露」はなかったと自決の6日前に回顧している〔三島由紀夫「坊城俊民への書簡」(昭和45年11月19日付)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「詩を書く少年」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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