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教職課程(きょうしょくかてい)とは、日本の大学(短期大学および大学院を含む)において、教育職員の普通免許状(教育職員免許状)の授与を受けるのに必要な単位が修得できるよう所定の科目等を設置した課程のことである。その枠組みについては教育職員免許法(昭和24年法律第147号)およびその関係法令に定めがある〔教育職員免許法において教職課程という名称は使われていない。なお、教育職員免許法の関連法令のうち、教職課程とかかわりがあるものには、「教育職員免許法施行令」「教育職員免許法施行規則」「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律」「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律施行規則」などがある。〕。教職課程においては「教職に関する科目」や「教科に関する科目」など(免許状が対象とする職(教諭・養護教諭・栄養教諭など)によって履修する科目区分が異なる)を修得しなければならないが、狭義には「教職に関する科目」の課程と使われることも多い〔原聡介編集代表『教職用語辞典』(一藝社、2008年)156頁(池上徹執筆)。〕。 == 概要 == 教職課程においては、教員の普通免許状(専修免許状、一種免許状、二種免許状)の授与を受けるのに必要とされる科目を履修し、履修の成績に応じて教育職員免許法に基づく教育職員免許法施行規則(昭和29年文部省令第26号)に規定する単位を修得することが可能である。教職課程によって普通免許状の授与を受けたい場合は、免許状の種類(職・学校種・教科)に応じて教育職員免許法に定める科目を履修する。なお、介護等の体験は、通例、小学校または中学校の教員の普通免許状の授与を受ける場合は、原則として必要となるが、介護等の体験(事前・事後指導を含む)が「授業科目として」開設されることは少ない。しかし、「授業科目として」開設した場合は、「教科または教職に関する科目」として設定される。 教職課程の呼称は国公立、私立の別を問わない〔『教職用語辞典』156頁〕。また、教員養成を目的とする学部と一般の学部の別も問わない〔『教職用語辞典』156頁〕。狭義には教員養成を目的としない一般大学において特別に設置された課程を指すことが多い〔『教職用語辞典』156頁〕。普通免許状の授与を受けるにあたっては「教職に関する科目」や「教科に関する科目」など(免許状が対象とする職(教諭・養護教諭・栄養教諭など)によって履修する科目区分が異なる)について、定められた単位を修得しなければならない。大学に置かれる組織については、各大学で異同が見られる。 教職課程は、文部科学大臣が中央教育審議会に諮問して免許状の授与の所要資格を得させるために適当と認める課程について認定される。文部科学大臣による課程の認定を課程認定、認定された課程を認定課程、認定課程を持つ大学を課程認定大学と呼ぶ〔『現代学校教育大事典 新版』第2巻13頁(鈴木愼一執筆)〕。ここで、「課程認定」における「課程」とは、一般に教職課程を指す〔『教職用語辞典』92頁(池上徹執筆)〕。教員養成を主たる目的とする学科等においては、一つ以上の教員の普通免許状の授与を受けるのに必要な単位をすべて修得しないと卒業の要件を満たさないことがある。例えば、文教大学教育学部では、小学校1種免許状と中学校2種免許状の両方を取得することが、卒業の条件となっている。〔文教大学の大学案内パンフレットに、その旨の記述がある〕。 なお、課程認可を受けた大学は、基本要件を満たしていれば、自校の裁量にて、在籍学生に対して履修指導を行うことが可能だが、大学通信教育の場合は、すでに在籍学生が(正科生・科目等履修生に関わらず)、教職に就いているものやそうでなくとも何かしらの免許状や流用可能な単位を有しているというケースもあり、課程認可大学の固定した履修指導方針のみで進めるのは、必ずしも適切ではないケースがあるにもかかわらず、申請先の教育委員会(都道府県教育庁)の履修指導が通用しないケースもありうる(一定年数の教職経験があり、中学校の免許状を有しているものが、高校の隣接教科の免許状の授与を受けるには、「別表第8」で申請するのが、習得単位が少なく済むケースだが、一方で高校の何かしらの他教科の免許を持っている場合は「別表第4」で申請することを強要するケースがあり、単位修得上も、単位数増につながることから、このケースでは「別表第4」での履修が必ずしも適さないと都道府県教育庁が判断するケースがあるが、それでもゴリ押しする通信教育を行う大学が一部ではある)〔理由としては、都道府県教育庁は、単位修得方針については、基本は、課程認定大学の裁量に任せる原則があるため、「文書指導」のような強制力のある対応をむやみやたらに取れない、と言う事情があるためである。ただし、授与申請の書類の受理を判断するのは各都道府県教育庁であり、それを課程認定大学が口出すということは本来あってはならないはずである。〕。正科生であれば、以前在学していた大学で修得した単位を流用し、単位認定を行うことで、新たに習得すべき単位が減少し、かつ、現職教員ではないことから、教育職員検定による授与申請がしづらいために、「別表第1」で単位修得するのがベターであると教育委員会側が判断した場合でも、それを認めずに教育職員検定を利用した手法を推し進める大学も一部で存在する(特に、教育職員検定の書類に必要な「人物に関する証明書」は、所属長記載が原則であるため、大学通信教育の事務や卒業してからすでに年数が経ったかつての指導教員などでは、直近の評価ができないことや直接的な評価ができないという理由で受理しないケースも多いため、学校現場の「所属長」を基本としているケースが多い)。 教職課程以外の普通免許状の授与を受ける方法として、文部科学省やその委嘱を受けた大学が実施する教員資格認定試験を通じて教員の免許状の授与を受ける方法、教育職員免許法施行法に基づいて教員の免許状の授与を受ける方法もある。すでに「教員の免許状」を有していれば、各都道府県の教育委員会が実施する教育職員検定などにおいて、一部の単位を教育職員免許法認定講習や教職課程のない大学で修得する方法がある。 因みに、二種免許状の授与を受けた者が一種免許状ないしは一種免許状の授与を受けた者が専修免許状へ別表1(養護教諭は別表2、栄養教諭は別表2の2)にて変更したい場合、施行規則第十条六の第1項の規定により、(仮に、旧法で免許状の授与がなされ、下級免許状の学力に関する証明書上ブランクの科目があったとしても)下級免許状に必要な単位は修得済みと看做され、上級免許状との単位数の差分のみを最低習得すれば、法定単位上は、免許状の授与申請ができるという規定が設けられている(高等学校一種の免許状を専修免許状に変更する場合は、この規定は適用対象外となる)。このため、例えば、教員資格認定試験で小学校二種の免許状を授与された場合は、この規定上の理由により、一種への変更は相当楽なものとなる。 近年では、大学設置基準(大学通信教育設置基準を含めて)の規定の都合上、1年間に履修できる科目数あるいは単位数に上限〔例外的に、卒業要件になり得ない科目のみ、上限を超えることを部分的に認めるケースもある。また、4年次のみ、上限を部分的に撤廃するケースもある。〕を設けているケースも多く、この制約上、4年間(3年次編入の場合は2年間)での単位の修得が容易ではないため、複数の免許状の修得が困難になりつつあり、一度大学を卒業後、別の免許状をの単位を修得するために自大学の科目等履修生や他大学の正規生・科目等履修生としてカバーしたり、元の大学で取りえなかった校種・教科の免許状の単位を修得しなければいけないケースもある(もちろん、自大学で課程認定されていない免許状の授与がなされるために、他大学に入りなおして、というケースは以前からあった)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「教職課程」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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