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貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)とは、物語の類型の一種であり、折口学の用語の一つ。若い神や英雄が他郷をさまよいながら試練を克服した結果、尊い存在となるとする説話の一類型〔『大辞林』〕。貴種漂流譚(きしゅひょうりゅうたん)とも。折口信夫が一連の「日本文学の発生」をめぐる論考のなかで、日本における物語文学(小説)の原型として論じた概念である。その説くところは時期によって細部が異なるが、基本的には「幼神の流浪」をその中核に据える。 == 神話学と貴種流離譚 == 神話学の1つの視点としての理論がある。これは、すべての文明に見られる神話にはある種の基底構造があるとする仮説であり、ジョーゼフ・キャンベルは「」モデルを提示している。この中でジョーゼフは、全ての神話上の英雄には基本的に同じパターン(ヒーローズ・ジャーニー)が見られるとする。もっとも、このモノミス理論は神話研究の主流派には認められているものではない〔(2006年) Myth-Placed Priorities: Religion and the Study of Myth、Religious Studies Review. Northup, Lesley, 5-10.〕。 神話的英雄の苦難の冒険の物語については、ギリシア神話や日本の神話にも例が見られ、「高貴の血脈に生まれ、本来ならば王子や王弟などの高い身分にあるべき者が、『忌子として捨てられた双子の弟』『王位継承を望まれない(あるいはできない)王子』などといった不幸の境遇に置かれ、しかし、その恵まれない境遇の中で旅や冒険をしたり巷間で正義を発揮する」という話型を持つものがある。 これら神話をモチーフにしたさまざまな派生・創作作品についても、貴種流離譚と表現することがある。 大塚英志の著書『物語の体操』では、以下のように定義される。 # 英雄は、高位の両親、一般には王の血筋に連なる息子である。 # 彼の誕生には困難が伴う。 # 予言によって、父親が子供の誕生を恐れる。 # 子供は、箱、かごなどに入れられて川に捨てられる。 # 子供は、動物とか身分のいやしい人々に救われる。彼は、牝の動物かいやしい女によって養われる。 # 大人になって、子供は貴い血筋の両親を見出す。この再会の方法は、物語によってかなり異なる。 # 子供は、生みの父親に復讐する。 # 子供は認知され、最高の栄誉を受ける。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「貴種流離譚」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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