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買収気動車(ばいしゅうきどうしゃ)〔明確にこの用語を用いた事例は、久保敏が1960年に「鉄道ピクトリアル」(以下「RP」)に執筆した「国鉄 買収気動車抄」(RP105~109号(1960年4月~8月 5月の106号除く))が先駆と見られる。同記事は当時において判明している限りの国有化された買収私鉄在籍の内燃動車について概略をまとめたもので、湯口徹「内燃動車発達史」(2004年)によってより詳細な情報が発表されるまでは、買収気動車について集中して記述した僅少な文献であった。久保は蒸気動車について言及しておらず、また以後の文献でも、私鉄路線の国有化に伴って国鉄籍となった蒸気動車については、ガソリン動車やディーゼル動車といった内燃動車と同列に言及されることはほとんどない。久保の文献は、2008年に「鉄道ピクトリアル」別冊として刊行された「国鉄の気動車1960」に再掲されており、以降では「久保(1960/2008)」として再掲版のページを表記する。〕は、鉄道省が1930年代から太平洋戦争中の1940年代にかけ、日本各地の私鉄路線を買収して国有化した際に、被買収私鉄が保有していたことから鉄道省籍となった気動車(内燃動車)を総称する呼称である。特に戦時買収私鉄からの移管車両が多い。 == 概説 == これらの気動車群は、ごく一部の例外を除いては両運転台式車両であり、また変速方式は全て手動変速の機械式で、その点では1930年代の鉄道省制式気動車に近かった。しかしその実態は、買収された私鉄会社が1920年代末から1940年にかけ、大小さまざまな民間メーカーに個別仕様の小ロットで発注したもので、当然統一された規格などはほとんど存在しない雑多な状態であった。 普通のボギー車以外に四輪車や片ボギー車があり、また鉄道省の制式気動車と比較すると概して小型の車両が多かった。エンジンも輸入品と国産品が混在、ガソリンエンジン搭載車が主流であったがディーゼルエンジン搭載車も存在していた。このためメンテナンスや運用面での制約が多く、加えて日中戦争・太平洋戦争と終戦後の長い燃料不足も重なって、買収後はほとんど全てが早期に処分されることになった。この点で1960年代まで国鉄での運用例があった買収国電とは事情を異にする。 特に、老朽化の早い木造車体ないし木骨鋼板張り車体車や、極めて小型な車両、また該当の私鉄路線に1両のみ在籍して予備車なしで運用されていた車両などは、鉄道省では運用に不適と見なされ、たとえ製造後5 - 10年を経ていないような車齢の若い車両であっても、買収後ほとんど時をおかずに廃車された模様である。その他の車両も(戦災によって喪失されたものを除き)戦時中から1950年ごろまでの短期間のうちに全てが廃車解体、もしくは車両不足の私鉄向けに払い下げられ、国鉄線から姿を消している。 私鉄払い下げ車はディーゼルエンジンを搭載して気動車として復活したものが多いが、一部には無動力のまま、客車や、電車の制御車になったケースも見られた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「買収気動車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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