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賃粉 ( リダイレクト:賃粉切り ) : ウィキペディア日本語版
賃粉切り[ちんこきり]
賃粉切り(ちんこきり)とは、賃金を取って葉たばこを刻む職人のことである〔『江戸の生業事典』232頁「賃粉切り」の項〕〔『日本国語大辞典 第2版 第9巻』175頁〕。単に賃粉ともいう〔『日本国語大辞典 第2版 第9巻』174頁〕。賃金を取って葉たばこを刻むこと自体も賃粉切りという〔。
== 概要 ==
江戸時代の日本における煙草は、煙管に詰めて用いる刻み煙草であり、当初は喫煙者自身で煙草を刻む「手刻み」が一般的であったが、喫煙の広まりとともに刻んだ煙草が販売されるようになった〔『時代小説「江戸」事典』258頁〕。そのような中、行商に出て、客の注文に応じて路上で葉たばこを刻んで売ったり〔『江戸の生業事典』232頁「賃粉切り」の項〕、あるいは、煙草を売る店舗から葉たばこ刻みを請け負って手間賃をもらったり〔其の十五 ふきがらをじゅうといわせるちんこ切 > たばこの川柳 > ことわざ&川柳 > たばこに親しむ > たばこの雑学 > たばこワールド - 日本たばこ産業ウェブサイト(2014年4月26日閲覧)〕する職人が出て、このような職人を「賃粉切り」と呼んだ〔〔。17世紀末には行商形態、18世紀前半には店専属の賃粉切りが出現していたと見られている〔『タバコの歴史』213頁〕。
たばこを刻む仕事はあまり元手を必要としなかったことから、経済力を問題とせず始めやすい仕事だったようで〔『タバコの歴史』212頁〕、食い詰めた下級武士浪人が賃粉切りを行うこともあったとされる〔。
江戸時代の庶民にとって賃粉切りはなじみの深い存在であり〔、当時の川柳には賃粉切りが多く登場しているほか〔『江戸の生業事典』232-233頁に掲載されているだけで、「賃粉切り」「ちんこ切り」を含む川柳は26句ある。〕、井原西鶴の『好色五人女』〔や、歌舞伎〔例えば『お染久松色読販』「能き所に鬼門喜兵衛賃粉切の拵へ煙草を切り居る」、『御国入曽我中村』「向うより源次ちんこ切りの拵え煙草の俵を一俵かつぎ」〕、洒落本〔例えば『娼妓絹籭』「なんの事はねへたばこやの賃粉切といふ身だ」、『辰巳婦言』「なんのこった庖丁を引ったくられたちんこ切か」、『南極駅路雀』「ちんこ切と葉ごしらへして芥川を歩渉にして」〕などにも賃粉切りが現れている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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