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賦光源氏物語詩(ふひかるげんじものがたりし)とは、源氏物語を題材とした漢詩集。東京大学図書館蔵本のように「賦源氏六十帖詩」と題された写本もある。 == 概要 == 源氏物語と紫式部のことを七律に詠んだ漢詩から構成される漢詩集である〔緒方惟精「賦光源氏物語詩について」『文化科学紀要』通号第3輯、千葉大学文理学部、1961年(昭和36年)。 〕。写本の中に正応4年(1291年)の奥書を持つものがあるためにこのころの成立と考えられている〔本間洋一「漢詩で読む浮舟物語―「賦光源氏物語詩」抄読―」『国文学「解釈と鑑賞」別冊 源氏物語の鑑賞と基礎知識 40 手習』至文堂、2005年(平成17年)5月、pp. 275-286。 〕。作者は不明。源氏物語に通じると共に漢詩文にも通じた人物であると思われる。序文において「夫れ光源氏物語は本朝神秘の書なり。浅見寡聞の者は之を以て遊戯の弄びと為し、深思好学の者は、之を以て惇誨の基と為す」と源氏物語を賞賛しており、源氏物語を人倫の道・敬神の念・仏道の奥義・人生の哀楽といったことが挙行を通して描かれているとする〔江戸英雄「『賦光源氏物語詩』(国文学研究資料館蔵)」国文学研究資料館編『源氏物語 千年のかがやき』思文閣、2008年(平成20年)10月、p. 129。 ISBN 978-4-7842-1437-2 〕。本書の中での源氏物語のとらえ方は、「源氏物語は儒教を主・仏教を従とした教戒の書である」とするのが従来の一般的なとらえ方であった〔重松信弘『新攷源氏物語研究史』風間書房、1961年(昭和36年)3月、pp. 139-140。 〕〔山脇毅「源氏物語年表 正応四年」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』東京堂出版、1960年(昭和35年))(合本は1987年(昭和62年)3月15日)、p. 533。 〕が、本書の中での源氏物語のとらえ方はもっと幅広い多様なものであるとする見方もある〔後藤昭雄「賦光源氏物語詩序について」大阪大学国語国文学会編『語文』第80・81合併号、大阪大学国語国文学会、2004年(平成16年)2月、pp. 3-12。 〕。「前後に類似するテキストを見ない天涯孤独の書」とされる〔ヴィーブケ・デーネーケ(内藤まりこ訳)「正典化されるパロディー―初期『源氏物語』受容としての『賦光源氏物語詩』について」伊井春樹監修『講座源氏物語研究〈第11巻〉海外における源氏物語』おうふう 2008年(平成20年)4月、pp. 164-190。 ISBN 978-4-273-03461-0 〕ものの、仏教的視点からだけではなく儒教的視点から源氏物語を評価している点に紫明抄〔長瀬由美「賦光源氏物語詩序」日向一雅編『源氏物語と仏教 : 仏典・故事・儀礼』青簡舎、2009年(平成21年)3月、pp. 250-259。ISBN 978-4-903996-16-5 〕や原中最秘抄〔重松信弘『新攷源氏物語研究史』風間書房、1961年(昭和36年)3月、p. 39。 〕との共通点を指摘する見解もあり、近い時期に書かれた源氏供養表白・源氏物語表白・源氏物語願文・源氏一品経などとの近似性が指摘されることもある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「賦光源氏物語詩」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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