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購買力平価説(こうばいりょくへいかせつ、purchasing power parity, PPP)とは、外国為替レートの決定要因を説明する概念の一つ。為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決定されるという説である〔高橋洋一 『高橋教授の経済超入門』 アスペクト、2011年、156頁。〕。1921年にスウェーデンの経済学者、グスタフ・カッセルが『外国為替の購買力平価説』として発表した。 ==絶対的購買力平価== 基準になるのは、米国での商品価格とUSドルである。理論上は対USドルだけではなく、どの通貨に対しても購買力平価は算出可能である。物やサービスの価格は、通貨の購買力を表し、財やサービスの取引が自由に行える市場では、同じ商品の価格は1つに決まる(一物一価の法則)。 一物一価が成り立つとき、国内でも海外でも、同じ商品の価格は同じ価格で取引されるので、2国間の為替相場は2国間の同じ商品を同じ価格にするように動き、均衡する。この均衡した為替相場を指して、購買力平価ということもある。 購買力平価=(1海外通貨単位(基軸通貨であるUSドルが使われることが多い)あたりの円貨額(やその他の海外通貨)で表示した)均衡為替相場=''日本での価格(円)''÷''日本国外(米国)での価格(現地通貨)'' これが厳密に成立するにはすべての財やサービスが自由に貿易されねばならない。 実際には、為替相場が厳密に購買力平価の状態になっていて、かつ2つの貨幣による経済のインフレーション、デフレーションなどがそのまま為替相場に反映され購買力平価の状態が保たれる、ということはないと考えられている。為替相場は購買力の他にも様々な要因によって影響されるためである。但し、購買力平価から大きく乖離した状態が長期的に続くことは難しいと考えられている。 第一勧銀総合研究所は「現実の為替相場と購買力平価が常に一致しているわけではなく、むしろ乖離するほうが普通ある」と指摘している〔第一勧銀総合研究所編 『基本用語からはじめる日本経済』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2001年、77頁。〕。 購買力平価説に則って、ドル円について「輸出物価ベースの購買力平価では1ドル=85円程度であるため大した問題ではない」という議論があるが、これは為替レート#実質実効為替レートと同じく貿易面での有利・不利を含意しており、円高を考える際には適切ではないことに留意すべきである〔円高は経済政策の失敗が原因だ SYNODOS -シノドス- 2010年10月13日〕。 経済学者の高橋洋一は「学者などがある時点で計算した購買力平価や実効為替レートなどの数字を掲げて議論したとしても、企業・財界など、輸出が困難になり国内で企業を維持できないため海外展開をしようと考える人達の意見とは全く違うものであり、意味のない議論である」と述べている〔2012年インタビュー FNホールディング〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「購買力平価説」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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