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『赤い指』(あかいゆび)は、2006年に刊行された東野圭吾の推理小説。著者が『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞後に発表した書き下ろし長編小説でもある〔東野圭吾の文庫版『赤い指』が実売100万部突破 ミステリー小説は今年初 - ORICON STYLE 2010年2月18日〕。 == 概要 == 加賀恭一郎シリーズの第7作であり、加賀が練馬署の刑事として活躍する最後の作品となる。本作から加賀の従弟の捜査一課刑事・松宮脩平や看護師の金森登紀子など、『新参者』を除く以降のシリーズ作品にも登場するシリーズキャラクターが生み出された。息子の犯罪を隠匿しようとする家族と、加賀の父親・隆正が病床に伏した加賀一家の様子を交互に描かれ、加賀親子においては『卒業』で触れられてきた確執の詳細が綴られている。尚、本作の刊行前に発表している『新参者』収録の短編において加賀が一皮剥けた印象になっている理由について、著者は「『赤い指』での苦労を経て約束の場所に辿り着けたんだと思います」「『赤い指』によって何かが変わったのだ」として本作がそのきっかけなったとして述べている〔『東野圭吾公式ガイド 読者1万人が選んだ 東野作品人気ランキング発表』、151 - 152、169項〕。 元々は『小説現代』1999年12月号に短編として発表された。当初はシリーズ6作目となる短編集『嘘をもうひとつだけ』の一編として収録予定だったが、後に短編向きではなかったと思い直した東野が長篇として書き直したいと構想を練り直した背景があり〔『東野圭吾というミステリー』、38項〕〔『東野圭吾公式ガイド 読者1万人が選んだ 東野作品人気ランキング発表』、150 - 152項〕、構想6年の期間を経て2006年7月25日に講談社から刊行され、2009年8月12日に講談社文庫版が刊行された。尚、著者はその6年間は、『手紙』や『さまよう刃』を上梓し、犯罪に関わる家族について考える機会が多く、作品の比重をどう置くかに悩んでいたといい、構想6年の内訳を停滞6年、執筆2ヶ月だったと語っている。また本作は家族の話であり加害者側、被害者側と描く中で、事件の謎を解く加賀にどんな家族がいたかを描く必要があるという著者の考えから、加賀を長く見ていた人物として語り役の松宮が生み出されたという背景がある〔。 このミステリーがすごい! 2007年版では9位、2006年の週刊文春ミステリーベスト10では4位を記録する〔文藝春秋|STOCK FILE|2006週刊文春ミステリーベスト10 〕。 ネプチューンの名倉潤は東野作品の中で怒りに打ち震えた作品に『さまよう刃』と共に本作を挙げており、「加害者の少年の母親の態度に一発ビンタを食らわしたくなった」としながらも、「親の子に対する愛情は無償だからこそ、考えなくてはならない愛情があるのでは、愛情の掛け方でこんなにも深い闇が出来るのかと考えさせられた」として特に本作を薦めている〔『ダ・ヴィンチ 』2008年11月号、29項〕。 文庫本は2009年8月24日付のオリコン“本”ランキングの文庫部門で首位での初登場以来、7週連続首位を獲得し、2010年2月22日付のランキングでは15位の記録と共に100万部を突破し、その年の文庫部門の記録では外山滋比古の『思考の整理学』に次いで2作目でミステリとしては初となり、著者にとっては2009年8月31日付の『さまよう刃』以来のミリオン達成となった〔。そしてドラマ化が発表された時点では累計部数は135万部を記録している〔新春SPドラマで『新参者』復活!“原点”作品『赤い指』初の実写化 - ORICON STYLE 2010年12月1日〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「赤い指」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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