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超大質量ブラックホール(ちょうだいしつりょうブラックホール、)は、太陽の105倍から1010倍程度の質量を持つブラックホールのことである。全てではないが、銀河系(天の川銀河)を含むほとんどの銀河の中心には、超大質量ブラックホールが存在すると考えられている。 超大質量ブラックホールには、比較的質量の小さいものと比べて際立った特徴がある。 * (質量をシュヴァルツシルト半径内の体積で割って求めた)平均密度は低い可能性があり、実際に地球の大気よりも低密度かもしれない。これは、シュヴァルツシルト半径は質量に比例するが、密度は半径の3乗(体積)に反比例するためである。無回転ブラックホールの事象の地平面のような球体の体積は半径の3乗に比例するが、質量の増加は直線的であるため、体積は質量よりも急激に増加する。そのため、ブラックホールの半径が大きくなると、密度は小さくなる。ただし、この現象は数学的な定義からくるものであり、必ずしも実際の物理的な特徴として保証されるものではない。また、これは単に事象の地平面の半径が非常に大きいことを表しているに過ぎず、したがって比較的低密度な広い領域を含みつつ中心はやはり非常に高密度でありうる。 * 事象の地平面近傍でも潮汐力は非常に弱い。中心にある重力の特異点までの距離が遠いため、ブラックホールの中心に向かう宇宙飛行士がいるとすれば、かなり深く進むまで、されることはない。 == 形成 == このサイズのブラックホールの形成には、いくつかのモデルが提案されている。最も明確なものは、恒星程度のサイズのブラックホールからゆっくりと降着していったとするものである。別のモデルでは、大きな分子雲が、おそらく太陽の10万倍以上の質量の相対論的星(一般相対論で記述される回転中性子星)に崩壊することから始まるというものである。この星の中心核では、電子-陽電子のペアが生成されるようになり、超新星爆発を起こさずに質量の大半を撒き散らしながらブラックホールに崩壊する。 超大質量ブラックホールの形成の難しさは、十分小さな体積に十分な質量の物質を詰める必要があるところにある。そのためにはこの物質の角運動量はかなり小さくなければならない。通常、降着の過程では外部の角運動モーメントが持ち込まれ、これがブラックホールの成長の阻害要因になり、また降着円盤の形成の原因になっている。 現在のところ、観測されているブラックホールの質量の分布にはかなりのギャップがある。恒星の崩壊によって作られるサイズのブラックホールは太陽の33倍程度の質量までであるが、最も小さい超大質量ブラックホールは太陽の10万倍程度の質量である。X線を放出する超大光度X線源 (Ultraluminous X-ray source, ULXs) は、このギャップを埋める中質量ブラックホールの一種である可能性が提案されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「超大質量ブラックホール」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Supermassive black hole 」があります。 スポンサード リンク
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