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超巨大地震(ちょうきょだいじしん)は、巨大地震の中でも特にモーメントマグニチュード尺度でMw9程度以上〔小山順二(2013) 小山順二、都筑基博、蓬田清、吉澤和範(2013):2011年東北沖超巨大地震が明らかにした超巨大地震の多様性、北海道大学地球物理学研究報告、76、129-146.〕〔木村政昭『超巨大地震は連鎖する』角川学芸出版、2012年〕あるいはMw9クラス〔神沼克伊 『次の超巨大地震はどこか?』 サイエンス・アイ新書、2011年〕のものに対し使用される名称である。しかし、「巨大地震」と同様に地震学的に厳密に定義付けられているわけではない。 == 概要 == 超巨大地震とされる地震は、確認される範囲では全てがプレート収束帯で発生する低角逆断層のプレート境界型地震であり、断層長が凡そ500km以上に達する。また、長大な破壊域をもつ海溝型巨大地震は複数のセグメントが連動して断層破壊する連動型地震を仮定すれば説明できるとされる〔 鎌滝孝信・澤井祐樹・宍倉正展(2006):1960年チリ地震震源域でくり返し生じた過去の巨大地震、歴史地震、第21号(2006) 87-91頁〕〔 都司嘉宣、行谷佑一(2007):連動型巨大地震としての宝永地震(1707)、日本地球惑星科学連合2007年大会、T235、010. 11-10-26〕〔有吉慶介(2011) 有吉慶介、松澤暢、矢部康男、加藤尚之、日野亮太、長谷川昭、金田義行(2011):東北地方太平洋沖地震・スマトラ島沖地震における連動型地震の考察、JAMSTEC Report of Research and Development、Vol.13、P17-33.〕。海溝沿いで海底地形の大きな変異を伴うため何れも大津波を伴っている。 観測時代におけるデータの蓄積では発生頻度を論ずるに充分ではないが、地球上において凡そ1世紀の間に数回程度発生しているものと見られる〔都司嘉宣(2005) 都司嘉宣:2004年インドネシア・スマトラ島西方沖地震津波の教訓、公開講義〕。Mw9クラスの地震の発生頻度は1世紀の間に1 - 3個程度との見積もりもある〔 McCaffrey, R., Global frequency of magnitude 9 earthquakes, ''Geology'', 36 , 263-266, doi:10 .1130/G24402A〕。 またその発生間隔は一様でなく比較的短期間の間に数年の間隔を空けて集中的に発生する傾向が見られる〔〔。地震モーメント放出の時系列から、このような超巨大地震のクラスタリングの傾向は明らかであるとする説がある一方で〔Ammon2011 Ammon C. J., R.C. Aster, T. Lay and D. W. Simpson(2011):The Tohoku earthquake and a 110-year spatiotemporal record of global seismic strain release, Abstract of 2011 SSA Meeting, ''Seismol. Res. Lett''., 82(3).〕〔Bufe2011 Bufe, C. G. and D. M. Perkins(2011):The 2011 Tohoku earthquake: resumption of temporal clustering of Earth's megaquakes, Abstract of 2011 SSA Meeting, ''Seismol. Res. Lett''., 82(3).〕、クラスタリングはランダムな変化に局在化した余震活動が加わったものに過ぎず見かけのものであるとする説もある〔Michael2011 Michael, A. J.(2011):Random variability explains apparent global clustering of large earthquakes, ''Geophys. Res. Lett''., 38 , L21301 , doi:10 .1029/ 2011GL 049443.〕〔 平原和朗、澁谷拓郎(2012):2011年東北地方太平洋沖地震 Mw9.0:概要 自然災害科学 J. JSNDS 31-1 3-22〕。 かつて表面波マグニチュードなど、地震計に記録された最大振幅の常用対数に基づくマグニチュードが主流として用いられていた時代はMs8.5程度が最大級とされていたが、超巨大地震の規模になると最大振幅に基づくマグニチュードは数値が飽和して頭打ちとなり、規模が適切に表されていなかった。1977年に金森博雄が、断層活動のモーメントに基づくモーメントマグニチュードを提唱して以来、1960年チリ地震など幾つかの地震がMw9以上と推定され規模が適切に表されるようになった〔 Kanamori, H., 1977, The energy release of great earthquakes, ''J. Geophys. Res.'' 82, 2981-2987.〕。 比較沈み込み学やアスペリティモデルから超巨大地震の発生する場所は若いプレートの沈み込み帯に限定されるとされてきたが、2004年スマトラ沖地震や2011年東北地方太平洋沖地震は従来の理論を覆すものとなり、特に高感度地震観測網など高密度の観測網が整備された日本付近で発生した東北地方太平洋沖地震は超巨大地震に関して新たな知見を与えるものとなった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「超巨大地震」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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