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(n) military scrip =========================== ・ 軍 : [ぐん] 1. (n,n-suf) army 2. force 3. troops ・ 軍票 : [ぐんぴょう] (n) military scrip ・ 票 : [ひょう] 1. (n,n-suf) label 2. ballot 3. ticket 4. sign
軍用手票(ぐんようしゅひょう、military currency、military payment certificate)とは、戦争時において占領地もしくは勢力下にて軍隊が現地からの物資調達及びその他の支払いのために発行される擬似紙幣である。政府紙幣の一種と解されることもある〔岩尾真宏、山口博敬「政府紙幣浮上の怪――自民内に構想」『朝日新聞』2009年2月3日付朝刊、第13版、第7面。〕。略して「軍票(ぐんぴょう)」とも呼ばれていることが一般的である。軍隊が通貨の代用として使用する手形〔広辞苑第6版「軍票」の説明〕ないし占領軍の交付する代用貨幣〔岩武照彦「日本軍票の貨幣史的考察」(アジア研究 27(1),1980)PDF-P.2〕であり、最終的には、その軍隊が所属する政府によって軍票所持者に対し債務支払いを行う必要があるが、敗戦国の場合、支払能力がないため反故にされる場合もある。また第二次世界大戦の敗戦国である日本の場合、かつて戦時国際法上、個人に対する戦争被害を敗戦国が補償する義務がなく、また連合国側が軍票の支払い義務を免除したため、後に国際問題になったことがある。 == 概要 == 軍隊は食料などの物資を現地調達する。それは一方的な物資徴発、ともすれば略奪であった。しかし、そのようなやり方は外聞が悪く、徴発相手の反感を招く。そのため近代以降の戦争では各国軍隊が軍票によって物資を購入するという形を採るようになった。このような軍票を初めて発行したのが英仏戦争時のイギリスで1815年のことであった〔石原幸一郎編纂「日本紙幣収集事典」、原点社、2005年、294頁〕。その後紙幣のようなものに進化した。1907年に締結されたハーグ陸戦条約で、条約締結国は戦時下の占領地で徴発する行為が禁止され、同条約第52条に「現品を供給させる場合には、住民に対して即金を支払わなければならない、それが出来ない場合には領収書を発行して速やかに支払いを履行すること」とされ、現金もしくは軍票で代償を支払うこととされた〔石原幸一郎、前掲書、295頁〕。 このように軍隊が所属する国家の通貨制度とは分離して軍票を使用する制度を用いるのは、自国の通貨を使用すると通貨供給量が激増し、結果的にはインフレーションで経済破綻する恐れがあるほか、敵国に自国通貨が渡ると工作資金になる危険性があるなど、戦略面からの要請があるためである。また発行体の保証する事実上の手形であるため、発行体が現有する手持の貴金属による支払いに拘束されることがなく、実際の経済力以上の物資の徴発も可能でもある。また西南戦争時の西郷札のように反政府軍が勝手に印刷〔西郷隆盛率いる薩軍が使用した。そのため政府から補償されず没収された。〕し流通させたものや、沖縄県の久米島を占領したアメリカ軍の一部隊が軍中枢の許諾なしに謄写版で印刷し勝手に発行した久米島紙幣もある〔石原幸一郎、前掲書、226頁〕。 以上のように、軍票は通貨のような体裁と流通機能を有しているが、最終的には相手国政府当局に提出して現金化もしくは貴金属による交換をする事が必要である。ただし、軍票を法定通貨として流通させることもある。一例として、太平洋戦争中に香港を占領した日本軍は、軍票を発行し、通貨として流通させていたが、1943年6月には、軍票を唯一の通貨と定め、軍票以外の流通を禁止し、所有している香港ドルは軍票と交換させ、違反者には厳罰を課した〔小林英夫「日本軍政下のアジア」、岩波書店、1993年、P155,156〕。また、太平洋戦争終結後、日本を占領した米軍は、B記号軍票を日本本土や琉球諸島で使用した〔外務省公開文書 リール番号A'0115 コマ番号211 SCAPIN-8,21〕。このとき大蔵省は、省令により、米軍軍票を日本の法定通貨とし公私一切の取引に無制限に通用するものとした〔昭和20年大蔵省令第79号 聯合國占領軍の發行する「ビー」號圓表示補助通貨の件〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「軍用手票」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Japanese military yen 」があります。 スポンサード リンク
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