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輸血後移植片対宿主病あるいは輸血後GVHD(ゆけつごいしょくへんたいしゅくしゅびょう、)とは、輸血後に受血者の体内で供血者のリンパ球が増殖し、増殖した供血者のリンパ球が受血者の組織を攻撃する病態である。PT-GVHDまたはTA-GVHDとも略称する〔浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、ISBN 4-8306-1419-6、pp.709-710〕〔遠山 博、他、編著『輸血学』改訂第3版、中外医学社、2004年、ISBN 4-498-01912-1、pp.636-644〕〔小川 聡 総編集 『内科学書』Vol.6 改訂第7版、中山書店、2009年、ISBN 978-4-521-73173-5、p.54〕〔大阪大学HP内徳島大学医学部附属病院輸血部寄稿記事 2012.3.24閲覧〕。免疫不全状態の患者で起こることがあるほか、供血者のHLA型ハプロタイプがホモ接合体である場合は受血者の免疫力が正常であっても起こることがある。家族間の輸血で生じやすいが、非血縁者からの輸血でも低頻度ではあるが起こる可能性がある。骨髄移植や臍帯血移植の後に起こるGVHDでは、骨髄移植や臍帯血移植では移植後に作られる血球はドナー由来の物であるので、ドナー由来の血液細胞は同じドナー由来のリンパ球に攻撃されることはない。しかし、輸血後GVHDではドナー由来のリンパ球が、受血者のほぼすべての細胞を攻撃し、有効な治療法はない。輸血後GVHDを発症するとほぼすべて(99.9%以上)の患者が死に至るため、予防が重要である〔〔。現在では、輸血後GVHDを予防するため、輸血用血液に放射線を照射することによって供血者のリンパ球を根絶した後に輸血を行っている。 == 歴史 == 輸血後GVHDのメカニズムが分かっていなかった時代から、輸血を伴う外科手術を受けた患者の中に、高熱・全身性紅斑・白血球減少を伴う手術後紅皮症が発生することがあることが知られていた。免疫に異常のない患者であっても発症することがあり、輸血後GVHDのメカニズムが分かっていなかった時代の日本では年間100〜300人ほどが発症し、一旦発症するとほぼ全員が死亡していた。その時代には輸血は非血縁者の血液より近親者の血液の方が安全であると信じられ、血縁者間の新鮮な血液が輸血されていた(当時は分かっていなかったが、実は血縁者間や新鮮な血液の方が輸血後GVHDを起こしやすい)〔。 輸血用血液に放射線照射が行われるようになってからは輸血後GVHDはほぼ予防できるようになった〔ただし、血液製剤は放射線照射後カリウム値が上昇するので乳幼児では影響することがある。乳幼児では照射後速やかに輸血する必要がある。-出典 遠山 博、他、編著『輸血学』改訂第3版、中外医学社、2004年、ISBN 4-498-01912-1、pp.643-644〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「輸血後移植片対宿主病」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Transfusion-associated graft versus host disease 」があります。 スポンサード リンク
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