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近鉄680系電車(きんてつ680けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道(近鉄)が1964年に京都線の特急専用車として旧奈良電気鉄道(奈良電)引継車両を改造した電車の総称である。 本項では、予備特急車として改造された683系電車(683けいでんしゃ)も含めて述べることとする。 前身である奈良電気鉄道デハボ1200形電車、奈良電気鉄道デハボ1350形電車、奈良電気鉄道クハボ600形電車については当該項目を参照のこと。 == 改造経緯 == 1964年10月1日に開業が予定された東海道新幹線は、名阪間で路盤が固まるまでの間減速運転を実施する開業時でさえ1時間31分、減速運転解除後は1時間8分で運行する計画となっており、当時最速でも2時間13分を要していた近鉄の名阪ノンストップ特急に対して大打撃を与えることが予測された。 これは、名阪ノンストップ特急からの特急料金を大きな収入源としていた近鉄にとって極めて深刻な事態であったが、名阪間のルートとしては元々迂回線に近い形態を持つ近鉄大阪線・名古屋線では、直線主体のショートカットルート上を最高で210km/hに達する超高速運転を実施する新幹線に速度面で対抗することは事実上不可能であり、実際に名阪ノンストップ特急は新幹線開業後長期に渡って需要が低迷することとなった。 そこで、近鉄首脳陣はこれまでの名阪連絡特急最優先の方針を捨て、発想の転換を図って新幹線を自社線の培養線とする、つまり自社エリア内に点在する観光地と最寄の新幹線駅を結ぶことによる新規観光客の獲得を目的とする緻密な特急ネットワークの構築へと方針を転換した。 これを受けて、新構想に基づく特急ネットワーク構築の第一陣として、新幹線とダイレクトに乗り換え可能でしかも有数の観光地が沿線に点在する京都・橿原線系統(京都 - 大和西大寺 - 橿原神宮前)に有料特急を設定することが決定された。 この時点では京都・橿原線系統は大阪電気軌道創業以来の小断面建築限界のままであり、しかも架線電圧も開業以来の直流600Vのままと旧態依然とした状態であった。一応、新型特急車両の製造も検討はされていたが、これらについてはいずれも近い将来の規格変更が計画されており、この段階で新規設計による特急車両の新造を行った場合、規格変更が実施された際にその特殊設計が無駄になってしまうことが危惧された。また、この京橿特急の構想自体にも試行的な意味合いが含まれていたことから、この段階ではひとまず在来車からの改造によって所要の特急車を準備することとなった。 この際、要求される走行性能や車内設備等から、正規特急車の改造候補として奈良線800・820系と奈良電由来のモ680形(旧奈良電デハボ1200形)・モ690形(旧奈良電デハボ1350形)が挙げられ、それぞれについての改造コスト等についての検討が実施された。その結果、基本的に通勤車である前者と異なり、元々特急・急行用で固定クロスシートを装備する2扉セミクロスシート車として設計・製造されており、より改造すべき点が少ないことなどを勘案して、後者が改造種車とされた。 この格上げ工事に際しては大阪線特急車に準じた設備とするため冷房化を含む大規模な改造が実施され、モ680形とモ690形→ク580形(2代目)による2両編成(680系)が2本用意された。 また、運用数から検査時予備車も1編成必要とされたが、種車となるモ690形は3両が在籍していたものの、モ680形は2両しか在籍しておらず1両不足するため、同型車で3編成を揃えることができなかった。また、この時点では新幹線と接続する特急によるフィーダー・サービス体系の構築について近鉄本社でも十分なコンセンサスが得られておらず、この新たな試みが失敗に終わることも危惧されていた。 そのため、予備特急車については天理教本部を沿線に有する京都・橿原線系統の特殊性も考慮して団体車としての使用を基本とする軽微な改造で済まされることとなり、680系の改造時に対象から外されたモ690形691と、本来はモ680形とペアを組んで使用されていたセミクロスシート車であるク580形581・582(初代)を種車とし、モ692の電装解除で捻出された機器をク581へ艤装することで3両編成(683系)を組成した。 こうして改造が施された2系列は、10100系以後の特急車と同様に塗装され、前面には10100系貫通型先頭車から車体更新前の11400系や16000系までの近鉄特急車に設置されていたものと同一の特急標識を設置し、京都 - 橿原神宮前間および京都 - 近鉄奈良間の2系統で特急車として運行が開始された。 == 680系 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「近鉄680系電車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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