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送粉者(そうふんしゃ、英語:pollinator)とは、植物の花粉を運んで受粉させ(送粉)、花粉の雄性配偶子と花の胚珠を受精させる動物のこと。花粉媒介者(かふんばいかいしゃ)・授粉者(じゅふんしゃ)・ポリネーターともいう〔オンライン学術用語集 ,ライフサイエンス辞書 ,YAHOO!辞書(プログレッシブ英和中辞典) - "pollinator"を入力し検索のこと〕。送粉者によって媒介される受粉様式を動物媒と呼ぶ。 送粉者となる動物は主に昆虫類と脊椎動物であり、送粉者に花粉媒介をされる植物は主に被子植物である〔裸子植物のうちグネツム目 やソテツ目には虫媒と考えられる植物が含まれる(中山剛 ''BotanyWEB''「送粉・受粉 -動物媒」)。〕。送粉者の訪花行動と摂食器官の形態は、被子植物の花の形態と開花様式など(送粉シンドローム)と密接な関連があり、送粉者と被子植物の間で共進化があったと考えられている〔中山剛 ''BotanyWEB''「動物媒 」。〕。 花を訪れる動物の中で送粉を行わず蜜のみを採る動物を盗蜜者と呼ぶ。同一の動物種でも訪れる花によって送粉者として振舞う場合と盗蜜者として振舞う場合が分かれるものもある〔田中肇『花に秘められたなぞを解くために』76-79ページ。〕。 == 送粉シンドローム == 植物は受粉様式を反映したさまざまな送粉シンドロームを持つ。送粉シンドロームの構成要素としては、花全体の大きさや花冠の深さ・幅、色(ある種の花は、蜜の場所を示す紫外光でしか見えないパターンを持つ)、香り、蜜の量・成分の特徴が挙げられる〔Fægri, K and L van der Pijl(1979). ''The principles of pollination ecology.'' Oxford: Pergamon.〕 。 送粉者と送粉シンドロームの関係として、「鳥類は花筒が細長く、蜜を多く分泌する赤い花をよく訪れるが、幅広くて蜜が少なく、花粉の多い花にはあまり引き付けられない」などがある。後者のような花は甲虫類をよく引き付ける。花の特徴を実験的に操作する(色や大きさ、向きなどを変える)と、送粉者による訪花は少なくなる〔Fulton, M and SA Hodges(1999). "Floral isolation between ''Aquilegia formosa'' and ''A. pubescens''". ''Proceedings of the Royal Society of London'', Series B 266: 2247–2252.〕〔Hodges SA, JB Whittall, M Fulton and JY Yang(2002). "Genetics of floral traits influencing reproductive isolation between ''Aquilegia formosa'' and ''A. pubescens''". ''American Naturalist'' 159: S51–S60.〕。 送粉者に対する送粉シンドロームの作用を「誘引」「報酬」「選別」「制御」に分類・整理する考え方もある〔〔福原達人「さまざまな送粉様式 」『植物形態学』。〕。 ;誘引 :花の色や形状・香りなどによって、離れた場所にいる送粉者に働きかけて呼び寄せる。 ;報酬 :蜜・花粉・香り成分など、花に訪れた送粉者への報酬。誘引した送粉者へ報酬を与えない送粉は「騙し送粉」という。 ;選別 :特定の動物を送粉者とすること。誘引の方式や報酬の種類によって送粉者を選別するほかにも、開花時間を限定し、その時間に活動する動物のみを送粉者に選定することもある。また、選別を緩やかにして多種類の送粉者に依存する場合と、選別を厳しくして限られた送粉者に依存する場合もあり、植物によって戦略が異なっている。 ;制御 :蜜腺の位置を示す蜜標(ガイドともいう)や、花の物理構造によって動物が送粉をより確実に行うように制御する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「送粉者」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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