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堀江メール問題(ほりえメールもんだい)とは、2006年の日本の第164回通常国会において民主党の衆院議員である永田寿康によるライブドア事件および堀江貴文にまつわる質問から端を発した政治騒動。証拠とされたメールが捏造であったことから永田は議員辞職し民主党執行部は総退陣に追い込まれた。他に永田メール問題、永田メール事件、ガセメール問題、偽メール問題、ライブドア送金メール騒動など様々な名称で呼ばれた。 == 事件の経緯 == * 2006年(平成18年)2月16日の衆議院予算委員会で民主党の永田寿康議員が、「(ライブドア事件に絡み)証券取引法違反で起訴されたライブドア元社長の堀江貴文被告が、2005年8月26日付の社内電子メールで、自らの衆院選出馬に関して、武部勤自民党幹事長の次男に対し、選挙コンサルタント費用として3000万円の振込みを指示した」などと指摘〔国会会議録検索システム「衆議院会議 第164回国会 予算委員会 第13号 」〕。 * 武部は党職の幹事長であり国務大臣ではないため予算委員会への出席義務はなく、答弁は行わなかった。その一方で当日に会見をし疑惑を否定した。当日の予算委員会では小泉純一郎内閣総理大臣も出席していなかったため、自民党総務局長として衆院選の候補者選考に携わった二階俊博経済産業大臣が答弁席に立ち「(堀江候補には)党として公認も推薦もしていないので、選挙開始時点で(堀江に対する)党として踏み込んだ調査はしていない。指摘の金銭問題については全く関知していない」と答えている。 * 小泉はこの日の首相官邸でのぶら下がり会見で永田の指摘を「ガセネタ」と批判した。堀江を逮捕・拘留して捜査をしている東京地検も次席検事名で「当該メールや指摘される事実関係は把握していない」と個別の捜査案件に関わる異例の否定コメントを当日に発表した。堀江が社長を務めていたライブドアも「堀江前社長の選挙活動は堀江が個人的にしたことで会社とは関係ない。振り込みやメールについては会社として把握をしていない」とコメントを出した。 * 2月18日、民主党はメールの写しを公表。しかし、後述する疑問点が続出し、証拠の信頼性が疑問視され、偽造の可能性も指摘された。武部らに対する名誉毀損で告訴を検討すると反撃されて窮地に陥る事態となった。 * 2月21日の会見で、民主党の前原誠司代表は翌22日の党首討論で新たな証拠を提示する旨の発言。「期待しておいてください」と疑惑解明に期待感を持たせる発言をした。 * 2月22日の党首討論で、前原は国政調査権の発動を担保に口座を明かすとしたが、小泉は拒否。前原は党首討論の前にマスコミに疑惑追及に期待を持たせる発言をしていたが、新たな証拠を開示できないことがマスコミの批判の対象となった。 * これら一連の行為が国民や有権者から反感を買い、民主党や永田、および前原への抗議の電話が殺到した。民主党は「4点セット」と言われたBSE問題、耐震強度偽装問題、ライブドア事件、防衛施設庁談合事件を初めとした多数の問題に対し、本来自民党を追及する立場であったが、立場が入れ替わり逆に自民党から追及されることとなった。これにより民主党の支持率は低下した。 * 永田は2月19日からは公の場に一切姿を現さず雲隠れとも言われたが、「民主党 『メール』問題検証チーム報告書〔「民主党 「メール」問題検証チーム報告書 」民主党 WEBサイト、2006年3月31日付。〕」等によると、これまで永田の調査等を支えてきた手塚仁雄元衆議院議員とともに引き続き調査を続けていた。その後、2月23日になり民主党の鳩山由紀夫幹事長に辞職の意向を述べた。しかしながら鳩山の判断で心神喪失を理由に入院することとなり、手塚の親族が経営する病院に入院し、辞職については保留となった。後に民主党の政治資金収支報告書によると、2007年5月28日に上述の永田議員がたった5日間入院した病院に対して、政治活動費から1000万円が渉外費と言う名目で支払われた事が判明している。 * この一連の問題に関して、永田は2006年2月28日に記者会見を行った。証拠が不十分のメールを提示し、国会を混乱させ、関係者に迷惑を掛けたことによる謝罪会見であった。しかし疑惑は消えていないと主張したため、小泉は「何のための謝罪なのかわからない」と批判し、武部は「全く謝罪になっていない」とした。また、武部は永田の謝罪申し入れも拒否した。 * しかしながら2006年3月2日には一転して、永田が「メールは誤りであった」と述べたが、メール仲介者の実名を公表しなかったため、永田とメール仲介者で金銭のやりとりがあったのでは? という不信感が広がってしまった(当初の記者会見で、永田元議員は、情報提供者について聞かれると、「名前を出すとエッチエス証券の野口さんみたいにされると本人が恐れているので出せない」と発言をしていた)。 * 3月2日同日、衆議院は永田に対する懲罰動議を懲罰委員会に付託し審査することを民主党も含む全会一致で議決した。その中で議員辞職に関して否定する答弁を述べたが、その後、永田には半年間の民主党党員資格停止処分が下り、野田佳彦民主党国対委員長が責任を取り国対委員長を辞任した。前原はこの件による民主党代表辞意を否定した。民主党国対委員長の後任として渡部恒三が選ばれた。3月3日、議事録から永田の「金で魂を売った」という発言が不適切として自民党が抗議し、不適切な発言として議事録から削除された。 * 3月24日、懲罰委員会において永田は偽メール仲介者の実名を「西澤孝です」と公表し「私は、西澤孝にだまされた」と語った。そして、メール仲介者が雑誌『Dumont』発行元、デュモンマーケティング社長の「西澤孝」であることが明らかとなった。 * その事によって、懲罰委員会で西澤の証人喚問を4月4日に予定する運びとなったが、西澤は同日に弁護士を通じ、証人喚問を行わないようにと申し入れてきた。 * その後、一度は、民主党側から意欲的に申し入れていた証人喚問であったが、永田が「メール」をあっさり信用したことなどから、西澤と関係していた他の民主党議員が多数いたからと、マスコミの記事にされることもあり(実際に、永田自身も同僚の議員秘書に紹介されたと述べ、また、藤末健三議員もブログ〔 〕で、西澤を同僚の議員秘書から紹介されたと語った事実がある)、その影響から、民主党は頑なに議員辞職を拒んでいた永田を説得し、自ら辞職させるという形で、証人喚問は開かれずに終わる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「堀江メール問題」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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