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扇祭(おうぎまつり)または扇会式法会(おうぎえしきほうえ)とは、熊野那智大社(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)の例大祭。熊野那智大社の例大祭は、那智火祭り〔篠原〕の通称で知られるが、正式には扇祭または扇会式法会〔平凡社627-628 〕〔嶋津28-29 〕である。今日では例年7月14日に執行されるが、古くは6月14日・18日に執行された〔『紀伊続風土記』に例祭次第の記述が見られる 1997: 627-628 。〕。 扇祭は「那智の火祭り」として和歌山県の無形民俗文化財(1960年〈昭和35年〉8月16日指定)に指定されている。例大祭にて奉納される田楽舞(那智の田楽)は国の重要無形民俗文化財(1976年〈昭和51年〉5月4日指定)である。 == 火と水の祭り == 神事としての扇祭は、かつて夫須美大神を花の窟から勧請した故事にまつわるものであるとされ、かつては寄り木となる木を立てて大神を迎えた後、その木を倒して大神が帰らぬようにする神事があったという〔篠原5 〕。 しかし、扇祭は例大祭当日の祭礼に見られるように火と水の祭りであり、今日では祭の意義は、例えば農事繁栄のような生命力の再生と繁栄として解されている〔篠原483 〕〔嶋津32-34 〕。水は那智における古くからの崇拝の対象である滝の本体であって、生命の源と解され、一方で火は、万物の活力の源を表す。そして、滝本から本社への還御の儀式に見られるように、扇祭の祭礼は神霊の再生復活と、それによる生命すなわち五穀豊穣を祈念する祭りなのである〔。 祭礼の名や扇神輿に見られる扇もまた、農業神事としての性格にまつわるものである。扇に備わる徳により、扇の起こす風は、彼方に向けて吹くときには災厄を除き、此方に向けて吹くときには福を招く、そうした霊力を発揮するとされ〔篠原序 〕、扇自体にも『古語拾遺』によれば虫害を斥け、穀物の豊穣に関係する故事があるといわれている〔嶋津34 〕。 また、扇祭の様式には神仏分離以前の修験の祭りとしての要素も指摘することが出来る。祭りの核心をなす扇褒め神事(後述)を執り行うのは、17世紀初頭の史料によれば、青岸渡寺の僧房のひとつ尊勝院を拠点とする修験者たちの役目であり、彼らは八咫烏帽をシンボルとした〔豊島223-224 〕。神仏分離後に、扇褒め神事が那智大社の権宮司に委ねられるようになってからも、権宮司は八咫烏帽をかぶった姿で神事に臨むだけでなく、松明の火を媒介・操作することにより神霊を導き、扇神輿に招くという点で、火の操作者としての修験者の像を読み取ることが出来る〔豊島224 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「扇祭」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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