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代数学において体の拡大(たいのかくだい、field extension)は体の構造や性質を記述する体論の基本的な道具立ての一つである。 == 定義 == (可換)体の組 ''K'', ''k'' が与えられるとき、''K''/''k'' が(可換)体の拡大であるとは、''k'' は ''K'' に集合として含まれ、''k'' の体構造が ''K'' の体構造の制限として得られる構造に一致していることをいう。またこのとき、''k'' は ''K'' の部分体(ぶぶんたい、subfield)、基礎体(きそたい)あるいは下にある体であるといい、''K'' は ''k'' の拡大体(かくだいたい、extension field)あるいは上にある体であるという。 同じことだが、可換体 ''K'' が体 ''k'' を集合として含み、かつ ''k''-多元環の構造をもつとき ''K''/''k'' を体の拡大という。後の条件のないときは拡大体といわず上体と呼ぶ流儀もある。いずれの場合も上にあるとか下にあるとかといった言い回しは用いて構わない。多元環は積を持つベクトル空間であるから、拡大 ''K''/''k'' において上の体 ''K'' を下の体 ''k'' 上のベクトル空間と見なすことができる。''k'' ベクトル空間としての ''K'' の次元のことを拡大 ''K''/''k'' の次数(じすう、degree of field extension)といい、: ''k'' などで表す。特に、体 ''K'' が有限次元 ''k'' ベクトル空間なら、拡大 ''K''/''k'' は有限次拡大であるといい、そうでないとき無限次元拡大という。 :通常は、体の拡大の理論において非可換な体を含む場合を扱わない(そのようなものは代数的数論に近い非可換環論あるいは多元環論の範疇に属す)。ただし、非可換体(あるいはもっと一般の環)の部分集合が、非可換体の演算をその部分集合へ制限して得られる演算により、その非可換体を上にある体として(可換な)体構造をもつとき、元の非可換体の(可換)部分体と呼び、元の非可換体を(非可換)拡大体と呼ぶことがある。以下本項では特に断りの無い限り、体として可換体のみを扱い、単に体と呼称する。 :厳密な意味で上の体が下の体を含んでいない場合にも、体の拡大と呼ぶことがある。つまり、適当な埋め込み写像が与えられていて、その埋め込まれた像を下の体として体の拡大を考えるとき、埋め込みの像と原像とを同一視して扱うのである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「体の拡大」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Field extension 」があります。 スポンサード リンク
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