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【名詞】 1. tribe 2. clan 3. house ・ 部族 : [ぶぞく] 【名詞】 1. tribe 2. clan 3. house
部族(ぶぞく、tribe)とは、民族〔日本語の「民族」には「近代国家の国民」の含意があるが、ここではエスニックグループのこと〕や氏族と同様に、同一の出自や歴史的背景を持ち、共通の文化や言語、価値観の上で共同生活を営むとされる集団の単位のこと。主に近代的民族概念と異なる社会形態をもつとされる集団に対して用いられる。 == 概説 == 史学において使われる場合部族は、近代国家成立以前の言語集団あるいは政治集団を対象に広く一般に使われるカテゴリーのことであるが、現在の集団に対して用いる場合には、様々な問題が含まれているとして、多くの人類学者によって批判され、近年は民族という語に統一されつつある〔例えばスチュアート・ヘンリをはじめとした最近の文化人類学者・社会学者の多くは、部族と民族の呼称の間には明確な客観的な区別がなく、アフリカでの民族紛争では意図的に「部族」の語が用いられるなど「文明度」という差別的な植民地主義的評価基準が作為的に用いられているとして、部族の呼称を避けるべきであると主張する。かれらは、民族の下位分類としての氏族などの帰属集団は歴史的に差別的なニュアンスを帯びている部族ではなく、支族などの呼称を使うべきである、とする。(『民族幻想論--あいまいな民族・つくられた人種』(解放出版社 2002年))〕。その用法は #文化・言語を共有する集団で、「未開社会」とほぼ同義とされるもの #親族関係や出自によって構成され、社会進化の一段階に対応するもの #一定の領域によって規定される政治集団であるが、中央的権力を欠くもの である。とくに2.はバンド-部族-首長制-未開国家という政治機構の段階論の中で位置づけられていた。 進化における一段階という議論は強く批判されたために、人類学において実際の集団にたいして部族というカテゴリーが使用されることは廃れたが、フリードは「二次的な現象としての部族」という考えかたを提供した。フリードのアイデアを推し進めたサウゾルによれば、多くの部族は植民地化の過程において、植民地行政こそが部族形成に関与したと指摘した。サハラ以南のアフリカの多くの部族や、北米の「保留地」に押し込められたインディアン諸部族がその例である。 かつての東西陣営では、民族あるいは部族を次のように定義していた。共産圏ではスターリンの定義「民族とは、言語、地域、経済生活および文化の共通性のうちに現れる心理状態の共通性を基礎として生じたところの歴史的に構成された人々の堅固な共同体」が使われ、西側ではマックス・ウェーバーの「同じような身体的特性と文化慣習、移住や植民といった共通の記憶やふるさとと意識、さらには出自をともにしているという主観的な信念」という条件が使われていた。しかし先述の通り、部族は二次的なものであり、実態と異なることが知られている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「部族」の詳細全文を読む
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