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鄭還古 : ウィキペディア日本語版
鄭還古[ていかんこ]

鄭還古(ていかんこ)は中唐の詩人。伝奇集『博異志(はくいし)』の撰者谷神子(こくしんし)に擬せられている〔「谷神」は『老子』に見える語。唐代にはの『老子指帰(ろうししき)』に注を施した馮廓(ふうかく)や、道教を好んだの為に『伝奇』を編んだ裴鉶も谷神子を号している。〕。
生年不明。。憲宗元和10年(基督教暦815年。下皆效此)にの反乱が起きた際に乱を避けて弟の斉古(せいこ)と共に老親を連れて洛陽へ移る〔趙璘『』巻3商部下。なお、同書に拠れば本人は不明だが弟斉古の排(輩)行は29番目であったという。〕。その前か後かは不明であるが元和年中(元和は15年迄)に進士に及第し〔南宋編『』巻48。〕、河中府のに就いたものの役所を誹謗する事があって吉州のに左遷される〔北宋編『詩話総亀(しわそうき)』巻42所引盧懐(ろかい)『杼情(ちょじょう)』。〕。
その後洛陽に還ったらしく同地に閑居して将軍柳当(りゅうとう)と懇意にし〔『太平広記』(以下「広記」と略す)巻168気義3所引『盧氏雑説』「鄭還古」。〕、再度の官職を求めて長安へ赴き太学博士(太学博士)〔盧子『逸史』(広記巻159定数14(婚姻)所引「鄭還古」)。〕乃至国子博士(国子監の博士)〔前掲広記所引盧氏雑説。〕として復官したが、程無くして歿した〔前掲広記所引盧氏雑説。〕。その歿年は詳らかでないが文宗開成5年(840年)4月にの刺史裴恭(はいきょう)の碑文が建てられた際に盧術(ろじゅつ)の撰した碑文を鄭が書しているので〔北宋趙明誠金石録』巻10第1,849「唐常侍裴恭碑」。納新(のうしん)『河朔訪古記(かさくほうこき)』巻下。〕、少なくもその頃の在世は判り〔今村与志雄訳『唐宋伝奇集(下)』(岩波文庫、1988年)「竜女の詩会(許漢陽)」訳注、岩波文庫、1988年。〕、また、谷神子『博異志』に谷神子が武宗会昌2年(842年)に済陰郡で水害に遭ったともいうので〔広記巻348鬼33所引『伝異記』「李全質」。なお、この『伝異記』は『博異記(志)』の誤写(「伝」の正字体は「傳」)である事明らかである(余嘉錫『四庫提要辨證』巻18博異記項、1958年)。〕、谷神子が鄭の号とすればこの事もその支証となる〔余前掲書。〕。なお、鄭は左遷の以前か以後かは未明乍ら刑部尚書劉公の女(むすめ)を妻とし、これと死別した後に洛陽にて李氏を妻としたといい〔前掲広記所引逸史。〕、また、僕射柳元公の女も妻にしたというが〔趙前掲書。〕、将軍柳当と僕射柳元公、更に刑部尚書劉公3者の関係は未明。また、符術に通じ済陰郡近郊にあった龍興寺という古寺の井戸を治す事もあったというが〔広記卷79方士4所引『伝異記』「許建宗」(伝異記に就いては前掲注参照)。〕これの真偽も未明。
その作に、逸したものの夢中に「蒼龍渓新宮銘」を書かされたというや〔広記卷55神仙55所引『集異記(しゅういき)』「蔡少霞」。〕道士殷七七(いんしちしち)の伝記〔胡応麟少室山房筆叢(しょうしつさんぼうひっそう)』巻20「二酉綴遺(にゆうてつい)」巻中。紀昀他編『欽定四庫全書総目』子部52小説家類3博異記項、乾隆47年。〕、吉州への赴任途中に詠んだ「望思台詩」があった〔阮前掲書所引杼情。〕。また、伝奇集『博異志(記)』の撰者谷神子に就いて南宋のが「或曰名還古、而竟不知其姓」と注記している〔晁『郡斎読書志』巻13。〕事から鄭が谷神子を号して同書を撰したものと考証されている〔前掲胡書、余書、今村訳注。溝部良恵『広異記・玄怪録・宣室志他』(中国古典小説選6)「博異志(抄)解説」、明治書院、2008年。〕。同書は序文に娯楽を提供するものでは無く箴規(しんき。戒め)の為に撰したものと述べられており〔晁前掲書。〕、同時代人であるに拠れば、鄭は幼い頃から俊才で学を好む性質であったが惜しい事に自説に拘泥する余り時世に合わない所があったともいうので〔趙前掲書。〕、果たして鄭が谷神子であるとすればそうした性向に因って『博異志』を纂輯した可能性があるものの、同集の現伝諸則のみからは箴規の様は窺えない〔溝部前掲解説。〕。なお、谷神子の号は『博異志』に当時の事件や人物に触れる叙述があってその為に姓名を隠したものであろうとの説も行われる〔晁前掲書。〕。
== 脚注 ==


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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