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デキサメタゾン(、商品名:デカドロン)は、ステロイド系抗炎症薬 (SAID) の一つである。炎症の原因に関係なく炎症反応・免疫反応を強力に抑制する〔。急性炎症、慢性炎症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患などの際に使用される。より具体的に挙げると、リウマチ、多くの皮膚疾患、重症アレルギー、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、クループ、脳浮腫等である〔。結核等で抗生物質と併用される。急性副腎不全では、より強力な鉱質コルチコイドであるフルドロコルチゾン等と併用される〔。早期陣痛に対して、確実な挙児の為に用いられる〔。また、内服や静脈内注射で抗癌剤投与時に伴う遅発性嘔吐の抑制に対しても利用される。デキサメタゾンの効果は多くの場合1日以内に見られ、3日程度継続する。先発品はデキサメタゾン(錠剤、エリキシル)又はそのリン酸エステルナトリウム塩(注射液。ネブライザーでも用いる)であるが、後発品にはメタスルホ安息香酸エステルナトリウム塩、シペシル酸エステル、吉草酸エステル、プロピオン酸エステル、パルミチン酸エステルといったバリエーションが有り、剤形も軟膏、クリーム、ローション、カプセル、口腔用軟膏、眼軟膏、点眼液、点鼻液、点耳液と多様である。 副作用として副腎皮質機能不全、クッシング症候群などがある。長期使用時にはカンジダ症、骨量減少、白内障、皮下出血、筋力低下が発生する〔。米国の胎児危険度分類はCであるが、豪州ではA(妊婦に多用され児に問題を生じない)である〔。授乳中には服用すべきでない〔。 デキサメタゾンは1957年に発見された。WHO必須医薬品モデル・リストに収載されている。 ==効能・効果== 各種の内分泌疾患〔慢性副腎皮質機能不全(原発性、続発性、下垂体性、医原性)、急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)、副腎性器症候群、亜急性甲状腺炎、甲状腺中毒症〔甲状腺(中毒性)クリーゼ〕、甲状腺疾患に伴う悪性眼球突出症、''ACTH単独欠損症''、特発性低血糖症、''下垂体抑制試験''〕、リウマチ性疾患〔関節リウマチ、若年性関節リウマチ(スチル病を含む)、リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)、リウマチ性多発筋痛、強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)、強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)に伴う四肢関節炎〕、結合織炎及び関節炎〔関節周囲炎(非感染性のものに限る)、腱炎(非感染性のものに限る)、腱鞘炎(非感染性のものに限る)、腱周囲炎(非感染性のものに限る)、滑液包炎(非感染性のものに限る)、変形性関節症(炎症症状がはっきり認められる場合)、非感染性慢性関節炎、痛風性関節炎〕、膠原病〔エリテマトーデス(全身性及び慢性円板状)、全身性血管炎(大動脈炎症候群、結節性動脈周囲炎、多発性動脈炎、ヴェゲナ肉芽腫症を含む)、多発性筋炎(皮膚筋炎)、強皮症〕、腎疾患〔ネフローゼ、ネフローゼ症候群〕、心疾患〔鬱血性心不全〕、アレルギー性疾患〔気管支喘息、喘息性気管支炎(小児喘息性気管支炎を含む)、喘息発作重積状態、薬剤その他の化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹、中毒疹を含む)、血清病、アナフィラキシーショック〕、血液疾患〔紫斑病(血小板減少性及び血小板非減少性)、再生不良性貧血、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病)(皮膚白血病を含む)、髄膜白血病、溶血性貧血(免疫性又は免疫性機序の疑われるもの)、顆粒球減少症(本態性、続発性)、凝固因子の障害による出血性素因〕、消化器疾患〔潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期、スプルーを含む)〕、肝疾患〔劇症肝炎(臨床的に重症と看做されるものを含む)、''胆汁鬱滞型急性肝炎''、''慢性肝炎(活動型、急性再燃型、胆汁鬱滞型)(但し、一般的治療に反応せず肝機能の著しい異常が持続する難治性のものに限る)''、肝硬変(活動型、難治性腹水を伴うもの、胆汁鬱滞を伴うもの)〕、肺疾患〔''サルコイドーシス(両側肺門リンパ節腫脹のみの場合を除く)''、瀰漫性間質性肺炎(肺線維症)(放射線肺臓炎を含む)〕、重症感染症〔重症感染症(化学療法と併用する)〕、結核性疾患〔''肺結核(粟粒結核、重症結核に限る)(抗結核剤と併用する)''、結核性髄膜炎(抗結核剤と併用する)、結核性胸膜炎(抗結核剤と併用する)、''結核性腹膜炎(抗結核剤と併用する)''、''結核性心嚢炎(抗結核剤と併用する)''〕、神経疾患〔脳脊髄炎(脳炎、脊髄炎を含む) (但し、一次性脳炎の場合は頭蓋内圧亢進症状が見られ、かつ他剤で効果が不充分な時に短期間用いる事)、末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)、''筋強直症''、重症筋無力症、多発性硬化症(視束脊髄炎を含む)、小舞踏病、顔面神経麻痺、脊髄蜘網膜炎〕、悪性腫瘍〔悪性リンパ腫(リンパ肉腫症、細網肉腫症、ホジキン病、皮膚細網症、菌状息肉症)及び類似疾患(近縁疾患)、好酸性肉芽腫、乳癌の再発転移、多発性骨髄腫(他の抗悪性腫瘍剤と併用する)〕、抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状、外科疾患〔副腎摘除、副腎皮質機能不全患者に対する外科的侵襲、侵襲後肺水腫、臓器・組織移植、蛇毒・昆虫毒(重症の虫刺されを含む)、''原因不明の発熱''、外科的ショック及び外科的ショック様状態、脳浮腫、輸血による副作用、気管支痙攣(術中)、手術後の腹膜癒着防止〕、整形外科疾患〔椎間板ヘルニアにおける神経根炎(根性坐骨神経痛を含む)、脊髄浮腫〕、産婦人科疾患〔卵管整形術後の癒着防止〕、泌尿器科疾患〔前立腺癌(他の療法が無効な場合)、陰茎硬結〕、皮膚科疾患〔湿疹・皮膚炎群(急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、アトピー皮膚炎、乳・幼・小児湿疹、ビダール苔癬、その他の神経皮膚炎、脂漏性皮膚炎、進行性指掌角皮症、その他の手指の皮膚炎、陰部あるいは肛門湿疹、耳介及び外耳道の湿疹・皮膚炎、鼻前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎など)(但し、重症例以外は極力投与しない事)、痒疹群(小児ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)(但し、重症例に限る。また、固定蕁麻疹は局注が望ましい)、蕁麻疹(慢性例を除く)(重症例に限る)、乾癬及び類症〔尋常性乾癬(重症例)、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、稽留性肢端皮膚炎、疱疹状膿痂疹、ライター症候群〕、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症(重症例に限る)、扁平苔癬(重症例に限る)、成年性浮腫性硬化症、紅斑症(多形滲出性紅斑、結節性紅斑)(但し、多形滲出性紅斑の場合は重症例に限る)、''アナフィラクトイド紫斑(単純型、シェーンライン型、ヘノッホ型)(重症例に限る)''、''ウェーバークリスチャン病''、粘膜皮膚眼症候群〔開口部びらん性外皮症、スチブンス・ジョンソン病、皮膚口内炎、フックス症候群、ベーチェット病(眼症状の無い場合)、リップシュッツ急性陰門潰瘍〕、レイノー病、円形脱毛症(悪性型に限る)、天疱瘡群(尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、Senear-Usher症候群、増殖性天疱瘡)、デューリング疱疹状皮膚炎(類天疱瘡、妊娠性疱疹を含む)、''先天性表皮水疱症''、帯状疱疹(重症例に限る)、紅皮症(ヘブラ紅色粃糠疹を含む)、''顔面播種状粟粒性狼瘡(重症例に限る)''、''アレルギー性血管炎及びその類症(急性痘瘡様苔癬状粃糠疹を含む)''、''潰瘍性慢性膿皮症''、早期ケロイド及びケロイド防止、新生児スクレレーマ〕、眼科疾患〔内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症性疾患の対症療法(ブドウ膜炎、網脈絡膜炎、網膜血管炎、視神経炎、眼窩炎性偽腫瘍、眼窩漏斗尖端部症候群、眼筋麻痺)、外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法で点眼が不適当又は不充分な場合(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎)、眼科領域の術後炎症〕、耳鼻咽喉科疾患〔急性・慢性中耳炎、滲出性中耳炎・耳管狭窄症、メニエル病及びメニエル症候群、急性感音性難聴、血管運動(神経)性鼻炎、アレルギー性鼻炎、花粉症(枯草熱)、進行性壊疽性鼻炎、喉頭炎・喉頭浮腫、耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法、''嗅覚障害''、''急性・慢性(反復性)唾液腺炎''、副鼻腔炎・鼻茸、喉頭ポリープ・結節、食道の炎症(腐蝕性食道炎、直達鏡使用後)及び食道拡張術後〕、歯科・口腔外科疾患〔難治性口内炎及び舌炎(局所療法で治癒しないもの)〕に適応が有る。(''斜体'' は錠剤のみ、下線は注射剤のみ) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「デキサメタゾン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Dexamethasone 」があります。 スポンサード リンク
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