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【名詞】 1. intense heat =========================== ・ 酷 : [こく] 1. (adj-na,n) (1) severe 2. harsh 3. stringent 4. rigorous 5. strict 6. unfair 7. (2) (uk) body (esp. of food, wine, etc.) 8. weight 9. substance ・ 酷暑 : [こくしょ] 【名詞】 1. intense heat
猛暑(もうしょ)とは平常の気温と比べて著しく暑いときのことである。主に夏の天候について用いられる。が、各国はそれぞれの気候傾向によって様々な定義で運用している。日本国内においては2007年以降、1日の最高気温が35℃以上の日のことを「猛暑日」と言う。 == 原因とメカニズム == 一般に夏季において背の高い(上空の高い所から地表まで鉛直に長い構造の)高気圧に覆われて全層に渡って風が弱く、周囲の比較的冷たい空気や湿気の流入が弱く快晴状態場合や、南(南半球の場合は北)から継続的に暖気が入った時に起こりやすい。内陸の盆地や山間部では周囲の山岳により外部の大気との混合が妨げられ、熱い空気がその場にとどまりやすいやすい(熱気湖)ことや、どの方向から風が吹いても、フェーン現象(風炎現象)が起こりやすいので、他の地域よりも暑くなりやすい。主な観測地点は山形県山形市、山梨県甲府市、京都市、大分県日田市などがある。 フェーン現象が発生すると、山脈の風下部では山から吹き降りてきた乾燥した高温の風によって盛夏でなくても猛暑となりやすい。主な観測地点は東日本や東北の日本海側、夏季の関東平野(特に北部)などがある。関東平野は西側に山脈があるので、西風が吹いたときにこの現象が起こりやすい。一方、西日本には2000m以上の山が存在しない(西日本最高峰は愛媛県の石鎚山(いしづちさん)で1982m、中国地方では鳥取県の大山(だいせん)で1729m、九州本土では大分県の九重山中岳(くじゅうさんなかだけ)で1791m)ため、水分の放出が充分に行われず吹き下ろしの風に水分が含まれているので、気化熱が昇温を緩和するので、フェーン現象による気温の上昇は東日本ほど激しくない。東日本には富士山、北アルプス、南アルプスをはじめとする2000m以上の山や山脈が多いため、同現象による気温の上昇が大きくなる。気象官署での観測史上2番目の40.8℃が山形市で記録された1933年7月25日も日本海に台風があり、2000m級の飯豊連峰を南西の風が吹き下りたことによりフェーン現象が発生した。しかし、当日は風速が弱く、日射よる昇温も大きかったと考えられる。 フェーン現象が起きると、冬季ですら25℃を超えることがある。例えば2009年2月14日には静岡県静岡市で26.2℃、同熱海市網代で25.4℃、神奈川県小田原市で26.1℃、同海老名市で25.3℃などを記録したが、当日は南から暖かい空気が入っていたことや、西側にある山地を越える際にフェーン現象が起こったことが原因と考えられる。 2010年の極端な猛暑は、ラニーニャ現象が一因とされる。研究や過去の統計から、ラニーニャ現象が発生するとフィリピン近海の海水温が上昇するため、上昇気流が発生する。その北に位置する日本付近では下降気流が発生し、太平洋高気圧の勢力を強くする(同様に、南海上に台風が存在する場合も台風の上昇気流を補うようにして、太平洋高気圧が強くなる)。そのため、日本付近が猛暑となりやすいと考えられている。他には、1955年、1964年、1973年、1984年、1985年、1995年、1999年、2007年が該当する。ただし、1954年、1970年、1971年、1988年のようにラニーニャ現象が起きていた年でも冷夏になったことや、1991年、1997年、2002年のようにエルニーニョ現象が起きていたにも拘らず猛暑になったこともあるので一概には言えない。また地球温暖化が進むと、フィリピン付近の海水温上昇により太平洋高気圧の勢力が強大化して、日本付近は猛暑になりやすいという予測もある。 また、三大都市圏を中心とする都市部での最低気温の高温記録〔東京などの都市化が激しい場所は、最高気温よりも最低気温の上昇が激しいことが知られている。〕が相次いだり、熱帯夜の増加や冬日が著しく減少しているのは、ヒートアイランド現象によって気温が底上げされていることが一因と考えられる。さらに東京都心で39.5℃など南関東周辺で観測史上最高の高温記録が相次いだ2004年7月下旬はヒートアイランド現象に加えて背の高い高気圧、フェーン現象が重なった例である。 しかし、猛暑の原因となり得るものはこれだけではない。ダイポールモード現象が発生すると日本付近では高気圧が強まり猛暑になりやすいとされている。この例として、1994年、2001年、2006 - 2008年、2012 - 2013年などがある。通常、この現象は2年連続で起こることは珍しいが、2006 - 2008年は3年連続で起こった〔低緯度域気候変動 2012年のダイポールモード現象について 〕。これは、観測以来前例がないとされる。また、太平洋中央部の赤道付近で水温が上昇するエルニーニョもどきと呼ばれる現象が起きると、その海域で対流活動が活発になり、それを補うようにして北太平洋の高気圧が強まるので、日本付近は暑くなりやすいとされる。2004年などがこれに当てはまる。また、この年は猛暑と同時に記録的な豪雨に見舞われたが、同じくエルニーニョもどきが原因と見られている。 他にも、北極振動や北大西洋振動が冬の間に負の状態が続くとオホーツク海高気圧が弱まり猛暑になりやすいという考えや、近年日傘効果をもたらす大規模な火山噴火(1992・1993年の冷夏の一因として1991年のピナツボ山(フィリピン)の噴火が挙げられる。1816年の夏のない年も火山噴火が原因とされる)が起きていないため猛暑が何年も連続するとの指摘もある。また、猛暑の原因が揃っていても冷夏の要因となるような現象が起こって相殺されることもあり確実に猛暑となるとは言えない。 なお、1982年、1983年、2003年、2009年、2014年のように暖春の年でも冷夏になったこともあれば、1978年、1984年、2010 - 2012年のように寒春の年でも記録的な猛暑になったこともあるので、春が涼しかったからといって必ず猛暑にはならないとはいえない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「猛暑」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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