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量子複製不可能定理 : ミニ英和和英辞書
量子複製不可能定理[りょうしふくせいふかのうていり]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [りょう]
 1. amount 2. volume 3. portion (of food) 4. basal metabolic rate, quantity
量子 : [りょうし]
 (n) quantum
: [こ, ね]
 (n) first sign of Chinese zodiac (The Rat, 11p.m.-1a.m., north, November)
: [ふく]
  1. (n,pref) double 2. compound 
複製 : [ふくせい]
  1. (n,vs) reproduction 2. duplication 3. reprinting 
: [せい]
  1. (n,n-suf) -made 2. make 
: [ふ]
  1. (n-pref) un- 2. non- 3. negative prefix
不可 : [ふか]
  1. (n,n-suf) wrong 2. bad 3. improper 4. unjustifiable 5. inadvisable 
不可能 : [ふかのう]
  1. (adj-na,n) impossible 
: [か]
  1. (n,n-suf) passable 
可能 : [かのう]
  1. (adj-na,n) possible 2. practicable 3. feasible 
: [よく, のう]
  1. (adv,n,vs) being skilled in 2. nicely 3. properly 4. well 5. skillfully 6. thoroughly
定理 : [ていり]
 【名詞】 1. theorem 2. proposition
: [り]
 【名詞】 1. reason 

量子複製不可能定理 : ウィキペディア日本語版
量子複製不可能定理[りょうしふくせいふかのうていり]

量子複製不可能定理(りょうしふくせいふかのうていり、英語:no-cloning theorem)は量子力学から得られる結果の一つであり、未知である任意の量子状態に対し、それと全く同じ複製を作る事を禁止する定理である。WoottersZurekDieksによって1982年に提案され、量子コンピューティングやその関連分野に特筆すべき影響を与えた。
一つの系における状態は、別の系の他の状態と量子もつれ状態になる事がありうる。例として、制御NOTゲートWalsh-Hadamardゲートを用いて、2つの量子ビットを量子もつれ状態にする事ができる。これは複製の操作ではない。なぜならば、もつれ状態の部分系に、定義可能な状態を割り当てる事ができないからである。複製の操作とは、同じ因子を持ったを作るプロセスである。
:en:Asher Peres と David Kaiser,が説明しているように、複製不可能定理の公表は、Nick Herbertによる量子もつれを利用した超光速通信の提案によって促された。
== 証明 ==

量子的な系Aのある状態をコピーする事を考え、この状態を|\psi\rangle_Aブラ・ケット記法参照)とおく。コピー先として、同じ状態空間を持った系Bとその初期状態|e\rangle_Bを考える。この初期状態、すなわち空白の状態は、我々が先行する知識を持っていないはずの|\psi\rangle_Aという状態には、依存してはならない。組み合わされた系の状態はそのようにして、以下のテンソル積で表される。
:|\psi\rangle_A \otimes |e\rangle_B\,.
(以下 \otimes の記号は省略し、暗黙にそれがあるものとする)
組み合わされた系を操作する手段は2つだけである。我々は観測を行う事ができ、系は不可逆に収縮して、あるオブザーバブル固有状態となり、量子ビットに含まれた情報は汚染される。自明だが、これは望む操作ではない。もう一つのものとして、我々は系のハミルトニアンを操作して、時間発展演算子''U'' (時間に依存しないハミルトニアンにおいては U(t)=e^であり、 -H/\hbar は時間並進の生成子と呼ばれる)を、ある時間間隔においてだけ操作することができる。これはユニタリ演算子である。結果''U''は以下に仮定するコピー演算子
:U |\phi\rangle_A |e\rangle_B = |\phi\rangle_A |\phi\rangle_B \,
として、状態空間 (|\psi\rangleを含む)における可能な全ての状態| \phi \rangleに対し振る舞う。''U''はユニタリであるので、以下の内積を保存する。
:
\langle e|_B \langle \phi|_A |\psi\rangle_A |e\rangle_B
= \langle e|_B \langle \phi|_A U^ U |\psi\rangle_A |e\rangle_B
= \langle \phi|_B \langle \phi|_A |\psi\rangle_A |\psi\rangle_B,

そして量子力学的な状態は規格化されていると仮定すると、以下が従う。
:\langle \phi | \psi \rangle = \langle \phi | \psi \rangle ^2. \,
これは、\phi=\psi(すなわち\langle \phi | \psi \rangle = 1)か\phi\psi直交する(すなわち\langle \phi | \psi \rangle = 0)のいずれかが成り立つ事を意味している。しかし、任意の二つの状態に対して一般にこれらが当てはまる事はない。
特別に選んだ状態
: | \phi \rangle = \bigg( | 0 \rangle + | 1 \rangle \bigg)
および
: | \psi \rangle = \bigg( | 0 \rangle - | 1 \rangle \bigg)
\langle \phi | \psi \rangle = \langle \phi | \psi \rangle ^2の要求に適合するが、この結果はこれより一般的な状態に対しては得られない。従って ''U''は''一般の''状態を複製することはできない。これにより量子複製不可能定理が証明される。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「量子複製不可能定理」の詳細全文を読む




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