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『金槐和歌集』(きんかいわかしゅう)は、鎌倉時代前期の源実朝の家集(歌集)。略称で『金槐集』とも呼ばれる。 成立は藤原定家より相伝の『万葉集』を贈られた建暦3年(1213年)12月18日頃とする説が有力。全一巻、663首(貞亨本では719首)掲載されている。『金槐和歌集』の「金」とは鎌の偏を表し、「槐」は槐門(大臣の唐名)を表しているため、別名鎌倉右大臣家集といわれている。但し、実朝の大納言(亜槐)や大臣(内大臣、右大臣 槐門)叙任は建保6年1218年である。 昭和4年(1929年)に佐佐木信綱によって発見された定家所伝本と、貞享4年(1687年)に版行された貞享本の2系統が伝えられている。前者は自撰・他撰(定家による撰)両説あるが未詳。後者も、奥書に「柳営亜槐」による改編とあるが、「柳営亜槐(征夷大将軍と大納言)」が誰であるかは諸説ある。江戸時代の国学者賀茂真淵に称賛されて以来『万葉調』の歌人ということになっている源実朝の家集であるが、実際は万葉調の歌は少ない。所収歌の多くは古今調・新古今調の本歌取りを主としている。 == 構成 == 家集は、「春部」、「夏部」、「秋部」、「冬部」により構成される「巻之上」、「恋之部」である「巻之中」、「雑部」である「巻之下」により構成される。万葉調の写実的、思想的歌は「巻之下」に多い。 例:(番号は貞享本による)、 *神風や朝日の宮の宮遷 かげのどかなる世にこそ有りけれ (伊勢御遷宮の年の歌、第616首) *み熊野の梛の葉しだり雪降らば 神のかけたる四手にぞ有らし (第637歌) *いそのかみふるき都は神さびて たたかにしあらや人も通わぬ (故郷を神祇に寄せて読みける、第646首) *塔をくみ堂をつくるも人なげき 懺悔にまさる功徳やはある (懺悔歌、第651歌) *世の中は鏡にうつる影にあれ あるにもあらずなきにもあらず (「大乗作中道観歌」、第653首) *神といひ佛といふも世中の ひとのこころのほかのものかは (「心の心をよめる」、第654首) *山はさけ海はあせなむ世なりとも 君にふた心わがあらめらも (太上天皇御書下預時歌、第679首) *みちのくにこににやいづく鹽釜の浦とはなしに煙立つ見ゆ (民のかまどより煙のたつを見て読める、第698首) *いとほしやや見るに涙もとどまらず 親なき子の母を尋ぬる (「道のほとりにおさなき童の母を尋ねていたく泣くを、そのあたりの人に尋ねしかば、父母なむ身にまかりしと答え侍りしを聞て」、第717首) *時により過ぐれば民のなげきなり八大龍王雨やめたまへ (建暦元年七月洪水被害浸天地民愁歎きせむことを思ひて一人奉向本尊卿至念と云、第719首) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「金槐和歌集」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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