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金漆(ごんぜつ、きんしつ、こしあぶら)とは、かつて存在した漆様の天然樹脂塗料である。 == 名称 == 日本、中国、朝鮮半島などで、甲冑や矢鏃などの防錆や装飾のために塗装された。その発色は、黄金色に輝いたという。中国、朝鮮半島では黄漆とも呼ばれた。なお、近現代の日本工芸で言う黄漆とは、江戸時代に開発された、漆に石黄を混ぜて黄色く発色させたものを指す。 日本では平安時代ころ、中国では唐代にかけて使用が断絶したが、朝鮮半島では長く使われ日本統治時代の昭和初期までの例がある。金漆の使用が断絶した経緯については、漆よりも耐久性に劣ること、樹脂液の採取が漆よりも少量で困難であること、漆工芸と蒔絵技法の技術の向上によるものと推定されている。 和名抄には「金漆 開元式云 台州有金漆樹 金漆和名古之阿布良」とあり、その樹の名が「許師阿夫良能紀」である。樹木のコシアブラの名の由来ともされてきた。寺田晃の研究により、金漆の素材はそれぞれウコギ科のカクレミノ、タカノツメ、コシアブラから採取されたことがわかったが、採取量の大半はカクレミノで、コシアブラからはほとんど採取できないという。朝鮮半島産の金漆はチョウセンカクレミノの樹脂液である。 漆様の塗料ではあるが組成は全く別物で、ウルシオールを主成分とする漆は乾燥に一定の温度と湿度を必要とし日光(紫外線)にあたると劣化するが、金漆はジアセチレン化合物で日光にあたると固まって乾燥する性質である。 近年、日本や韓国で再現が図られている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「金漆」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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