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金瓶梅 : ミニ英和和英辞書
金瓶梅[きんぺいばい]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [きん]
  1. (n,n-suf) (1) gold 2. (2) gold general (shogi) (abbr) 
: [びん]
 【名詞】 1. bottle 
: [うめ]
 【名詞】 1. (1) plum 2. Japanese apricot 3. prunus mume 4. (2) lowest (of a three-tier ranking system) 

金瓶梅 : ウィキペディア日本語版
金瓶梅[きんぺいばい]

金瓶梅』(きんぺいばい、)は、明代長編小説で、四大奇書の一つ。著者は蘭陵の笑笑生ということになっている。万暦年間(1573年 - 1620年)に成立したと考えられている。序にあるように猥書すなわち官能小説として知られ〔『金瓶梅』の現存するもっとも古いテクストである『金瓶梅詞話』(万暦本とも呼ばれる)には弄珠客の万暦丁巳(万暦45年)の序があり「金瓶梅は穢書である」で始まっている。〕、しばしば発禁処分をうけた 。タイトルの『金瓶梅』はストーリーの中心となっている3人の女性、潘金蓮、李瓶児、春梅(龐春梅)の名前から1文字ずつ取ったものである。
『金瓶梅』は『水滸伝』の 第二十三話から二十七話までの武松のエピソードを敷衍させたものであり、『水滸伝』からのスピンオフ作品である。『水滸伝』の武松の虎退治のエピソードを入り口とし、そこに登場する武松の兄嫁の潘金蓮は姦通した後殺されずに姦夫の西門慶と暮らし始めるという設定となっている。ストーリーが『水滸伝』から分岐した後は、富豪の西門慶に、金蓮も含めて6人の夫人やその他の女性がからみ、邸宅内の生活や欲望が展開してゆく。『水滸伝』同様に北宋末を舞台とするが、綿密かつ巧みに描写されている富裕な商人の風俗や生活には、代後期の爛熟した社会風俗が反映している。
== あらすじ ==

河北清河県で薬屋を営む西門慶は大金持ちの趣味人で色事師である。正妻の呉月娘以下4人の夫人がいるにも拘わらず、蒸し餅〔原文では「炊餅」。これを「蒸し餅」と訳すのは岩波文庫の『金瓶梅』(小野忍・千田九一訳)に倣った。〕売りの武大の妻、潘金蓮と密通し、その後武大を殺させて彼女を第5夫人にする。『水滸伝』ではここで西門慶と潘金蓮が武大の弟、武松によって成敗されるが、『金瓶梅』では西門慶は逃げのびる。武松は西門慶ではなく別人を殺めてしまい、武松に同情する人もいたが、西門慶の働きかけもあって孟州に流される。西門慶はさらに隣家に住み未亡人となった李瓶児を第6夫人に迎え、潘金蓮の女中の龐春梅をはじめとする女中たち、使用人の妻たち、芸者たちとも関係を持ち情欲の限りをつくす。
潘金蓮は西門慶を相手にすねたり、怒ったり、また西門慶の夫人たちや愛人たちと喧嘩をしたり、嫌がらせをしたり、彼女らの不満をあおったり、さらには別の男と関係したりとさまざまな出来事を引き起こす。そのうちに李瓶児に待望の男児が生まれるが、嫉妬した潘金蓮は彼女や男児に嫌がらせをつづけ、最後には男児を猫に襲わせ死なせてしまう〔元の時代の戯曲『趙氏孤児』で屠岸賈が犬を襲わせて趙盾を殺す方法と同じ。〕。子を亡くして失意の中李瓶児も病気になる。呉月娘に対し、子供ができたら大切に育てて、自分の子供のように人の闇討ちにあってはならないと言い残して亡くなる。
西門慶はもとの薬屋の他にも質屋や呉服屋、塩の専売などにも手を広げ、ますます大きな財力を手に入れる。財力のみならず街の提刑所(検察と裁判を扱う役所)の長官となり権力も手に入れる。そのように西門慶はすべての成功を手にしたのだが、潘金蓮は、西門慶が不思議な僧侶から貰った媚薬を、それとは知らず限度以上に西門慶に与えてしまい、西門慶は死んでしまう。西門慶の商才と権力に依存していた家業は破綻し、一人また一人と西門家を去っていく。潘金蓮は不祥事が露見して西門家を追い出される。同じ時期に孟州から戻ってきた武松に色目使いをするが、武松は兄の敵としてようやく潘金蓮を成敗する。
やはり西門家を追い出された春梅は名家に嫁いで他の女たちを見返すが、西門慶の娘婿で、かつて西門慶の家に住んでいた陳経済との再会で転落が始まる。陳経済が殺された後、夫も戦死し、春梅の生活は次第に自堕落なものになっていき、最後には使用人と関係している最中に急死する。
一方、西門家には正妻の呉月娘、西門慶との子で西門慶の死後誕生した孝哥、そしてその他義理堅い使用人たちだけが残されていた。ある夜、昔知り合った不思議な僧侶の寺に呉月娘らが滞在した。その時、僧侶の導きにより西門慶以下亡くなった者たちがそれぞれ別の地で生まれ変わって新しく生を受ける場面を目撃する。次の朝、実は孝哥は西門慶の生まれ変わりであることをその僧侶に示され〔西門慶が別の地で生まれ変わることが分かったすぐ後に、孝哥は西門慶の生まれ変わりであると書かれている。話が全く矛盾しているが、日下は、西門慶という人物は『水滸伝』の登場人物である西門慶としての側面と作者自身の投影である側面があり、それぞれの側面ごとに別の結末ができてしまったのであろうとしている(6、1995年、pp.163-165)。〕、その僧侶の勧めで、西門慶の前世の罪から救うために孝哥を仏門に入れる。呉月娘自身は頼りになる番頭に西門を名乗らせて、西門家の事業を継続させ、長生きして人生を全うした。
作品は次のような結びの詩でしめくくられる。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「金瓶梅」の詳細全文を読む




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