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矢倉囲い(やぐらがこい)は、将棋において主に相居飛車戦法・相振り飛車戦法で使われる囲い。単に矢倉と呼ばれることが多く、美濃囲い、穴熊囲いと並んで代表的な囲いの1つ。居飛車で互いに矢倉囲いに組んで戦う戦型のことを相矢倉(あいやぐら)と言い、これも矢倉と略されることが多い。 == 概要 == この戦型のオーソドックスさと歴史、格調について米長邦雄は「矢倉は将棋の純文学だ」と述べ、将棋の世界では広まった言葉になっている〔*>ただし米長によれば、これは高尚である、という意味での発言ではなく、角が上下にギザギザネチネチと動き、ネチネチと押したり引いたりし、相手の出方を見てネチネチと手を変え、といったそのネチネチさを指して「純文学」と表現したとのことである。〕〔『日本将棋用語事典』pp.157-160〕。相振り飛車でも用いられるが、その場合右側に矢倉囲いを作ることになる。 通常矢倉囲いとは、(先手番で相居飛車のものであると)玉将を8八に、左金将を7八、右金将を6七に、左の銀将を7七に移動させたものをいう。通常の矢倉を金矢倉(きんやぐら)ということもある。角行の初期位置に玉将が来るため、角行をうまく移動させることが必要になる。相矢倉では6八の位置に角行が来ることが多いが、4六や5七、2六の位置に来ることもある。後手は7三に持ってくる場合が多い。上部からの攻撃には強い反面、7八の金を守っている駒が玉1枚だけであり、横からの攻撃にはそれほど強くないという特徴がある。ただし6八には金銀3枚の利きが集中しているので、八段の守りが薄いというわけではない。端は金銀の利きが無いためやや弱く、例えば桂香飛角を利かせて一気に攻め立てる雀刺しという戦法がある。 江戸時代には同じ音の「櫓」の文字を当てており、将棋歩式などの定跡書でも「先手櫓」「櫓崩し」などと表記していたが、昭和後期には「矢倉」の表記が一般的となった。ただ、升田幸三や山口瞳など、昭和前期に将棋を修行した人の著書では「ヤグラ」というカタカナ表記も登場していた。近年ではほとんどが「矢倉」である。語源については、加藤治郎が「お城の富士見矢倉、物見矢倉に形が似ている所からついたもの」と述べている通り、日本の城郭建築の櫓に形が似ていることから名前が付いたとされているが、別に享保年間に出た『近代将棋考鑑』には :この駒立やぐらというなり。いにしえ大阪北濱やぐら屋の何がしという人好みてこの駒立を指し申すによつてしかという と記載されており、「矢倉」の語源の一説となっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「矢倉囲い」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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