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金砕棒(かなさいぼう)は、日本の打棒系武器の一種。 南北朝時代に現れたと考えられ、初期のものは、櫟、栗、樫などの硬い木を1.5m - 2m程度〔『太平記』八巻(14世紀成立)に、「八尺余りの金砕棒の八角なるを」という記述が見られる。〕の八角棒に整形したものに「星」と呼ばれる正方形あるいは菱形の四角推型の鋲と箍で補強したものであったが、後に「蛭金物(ひるかなもの:帯状の板金)」を巻き付たり長覆輪(ながふくりん:鉄板で覆う)といった鉄板で覆って貼り付け補強した拵え(こしらえ)となり(■画像-1)、さらに後世、完全な鉄製(時代を経るごとに鋳物製から鍛鉄製の順に移行)となった(■画像-2)、(■画像-3)。 == 概要 == 日本の合戦での装備は、古来、重装備である。これは騎馬によっての一騎討ちが目的であったため、全備重量が重くても影響が少なかったことが要因である。そのため、太刀で斬ることはおろか、槍といった突きを主眼としたものであっても、鎧を貫くのは非常に困難であった。したがって、戦では鎧のつなぎ目を斬る戦法(鎧は「動く」という行動を執る以上、肩などの関節部には隙間があるため、そこを狙う)や、兜を跳ねて首を狙うといった戦法であった。 鎧は、断ち切ることは困難であるが、叩くといった行為に対しては耐性は低い。南北朝時代になって多少軽装備となったものの、依然として斬るといった行為は困難であったため、金砕棒のような打撃に特化した武器が登場した。 金砕棒は叩くことに特化した武器であり、頭を叩かれればもちろん、胴であっても打ち付けられれば相手には相当の衝撃であり、その衝撃で相手が怯んだときに組み合って首を獲る、そのまま叩き殺す(骨を粉砕する、内臓を潰すなど)といった行動が可能である。ただし、全長2mで鉄製という特徴から非常に重量があるため、筋力に優れた者でなければ使いこなせないという弱点があった。 なお、実戦で使用されたことを窺わせるものとしては、戦国大名の最上義光が合戦で用いている様子を描いた屏風絵〔山形市最上義光歴史館 長谷堂合戦図屏風 〕が残されている〔この場面の描写は、最上義光歴史館に現存する義光の「鉄製指揮棒(全長約80cm、重量1750g)」の誇張表現であり、実際に金砕棒を使用したかは定かではない。ただし、義光本人は怪力の人物としても知られている。〕。 また、その丈夫さと重量を生かし、まれに武器として以外にも砦の関門を破る簡易の破城槌として転用された場面が軍記物の絵巻でしばしば観られる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「金砕棒」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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