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『金融腐蝕列島』(きんゆうふしょくれっとう)は、高杉良による1997年初版の小説(経済小説)、およびそれに続く一連のシリーズ作品。日本の銀行・証券会社など金融業界の内情を描く。バブル景気崩壊後の1990年代後半から2000年代にかけての総会屋事件、不正融資、大蔵省・日銀汚職、メガバンク再編など、現実の時々に応じたテーマが設定される。 シリーズ全5作品のうち、2作品は映画化・テレビドラマ化された。 ==小説== ===金融腐蝕列島=== 一連のシリーズの発端となる。1997年に角川書店から発行、その後2002年に文庫本として講談社からも再版された。前年に角川書店より刊行が開始されていた「高杉良経済小説全集」の最終巻として書き下ろされた作品で、高杉は後に「新聞・雑誌などで連載していたら、クレームなどによって完走もままならなかった可能性が高い。書き下ろしだからこそ、成功したのだと私は考えている」と語っている〔東京スポーツ・2008年8月2日付 「新・金融腐食列島 消失」連載を終えて(上)〕。 初版同年に第一勧業銀行・野村證券総会屋利益供与事件が発生し、これを予見した作品として注目を集めたが、高杉は本作を「ノルマのきつい旧住友、旧三和、旧富士の三行を見据えて書き下ろした」もので、「旧一勧は比較的クリーンな銀行と私の目には映っていたのである。従って、私が事件を予知していたことなどあり得ない」としている〔。 舞台は大手都市銀行・協立銀行、主人公は虎ノ門支店副支店長の中堅銀行マン・竹中治夫。協立銀行内では依然として強い影響力を持ち、人事権を掌握する会長が君臨している。公私混同のワンマン会長は、娘の不倫スキャンダル隠しを画策し、銀行内外の人脈を利用し不審者の洗い出しを指示した。そんなある日突然、竹中は総務部主任調査役の辞令を受ける。「渉外班」と通称されるその実態は、総会屋対策のポストだった。 竹中はスキャンダル隠しに加担させられ、組織の前に心ならずも不正融資に手を貸してしまう。緊急株主総会に向け、会長秘書役や元大物総会屋、「企業舎弟じみた人物」との交渉に奔走する。その後渉外班の任を解かれた竹中治夫だったが、続いて営業本部プロジェクト推進部に異動となる。こちらは大口の不良債権処理の担当。その回収に乗り出して右翼や暴力団から標的にされた竹中は、家族までも狙われ、辛い闘いを強いられる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「金融腐蝕列島」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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