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『金雲翹』(キム・ヴァン・キエウ、)は、19世紀前半にベトナム(阮朝)の文人グエン・ズー(阮攸)が中国の小説『金雲翹伝』を翻案し、チュノムで記した長編叙事詩。チュノム文学の最高峰と考えられ、ベトナムの国民文学的作品とみなされている。 作者が付した本来の題は『断腸新声』(斷腸新聲、)であるが、複数の版でさまざまな書名が伝えられており、日本では長らく『金雲翹』の名で受容されてきた。現代のベトナムでは、『キエウ伝』(、漢字で書くと「傳翹」となる)が最も一般的な呼称である。 == 概要 == この作品は、「青心才人」(筆名)による中国(明末清初)の才子佳人小説『金雲翹伝』がもとになっている。阮朝の高官であり文人であったグエン・ズーは、この作品を翻案し、ベトナム独特の形式である六八体 (、六音八音の交互による韻文)の詩、全3254行を作り上げた。 物語の舞台は明の嘉靖時代の開封。女性主人公ヴオン・トゥイ・キエウ(, 王翠翹)は、弟の友人であるキム・チョン(, 金重)と知り合い結婚を約束するが、ヴオン家に不幸が訪れる。トゥイ・キエウは、妹のトゥイ・ヴァン(, 王翠雲)にキム・チョンとの結婚を託し、金を工面するために身を売る。トゥイ・キエウは流転のなかでさまざまな辛酸をなめたのち、15年の歳月を経て妹や婚約者と再会し、幸せに暮らす。「金雲翹」というタイトルは、ヴオン・トゥイ・キエウ(王翠翹)、トゥイ・ヴァン (王翠雲)、キム・チョン (金重) からそれぞれ一字をとったものである。 史書『大南正編列伝』によれば、この作品はグエン・ズーが使節として赴いた清朝から帰国の後(1820年より後)に書かれたとされるが、中国へ行く前(1814年以前)に書かれたという説もある。最初の出版は1820年から1825年のあいだと考えられている。以後、チュノム、クオック・グーともに複数の異なる版が出版されており、書名も『金雲翹新傳』、『金雲翹新集』、『斷腸新聲』などさまざまである。 翻案にあたってベトナムの俗語や歌謡を組み込んだこの作品はチュノム文学の最高峰と考えられ、ベトナムでは現在も学校教育に使用されている。何人かの登場人物の名前はしばしば典型的な人物像の喩えとして用いられ、また若い女性のあいだではこの作品を恋愛占いに使用する方法が広く知られている。名実共にベトナムの国民文学である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「金雲翹」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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