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木材(もくざい)とは、様々な材料・原料として用いるために伐採された樹木の幹の部分を指す呼称。その用途は、切削など物理的加工(木工)された木製品に限らず、紙の原料(木材パルプ)また薪や木炭に留まらない化学反応を伴うガス化・液化を経たエネルギー利用や化学工業の原料使用、飼料化などもある〔岡部 p.147-169 6.エピローグ-その将来を展望する-〕。材木(ざいもく)も同義〔だが、これは建材や道具類の材料などに限定する場合もある。 == 木材の構造と特徴 == === 構成 === 木材として使われる部分は「材」(ざい、木部)と呼ばれる。樹木は、芽や成長点を由来とする中心部にあるごく細く軟らかい「髄」(ずい)または「樹心」(じゅしん)、主要部分を占める「材」、外皮に当たる樹皮の3つの部分に分かれる。木も代謝を繰り返し細胞分裂によって成長するが、幹や枝の先端(成長点)を除く「材」の部分では樹皮のすぐ下に当たる部分(厳密には師部と隣接する数層、維管束形成層と呼ばれる)だけに限られ、しかも幹側になる細胞は分裂機能を失い、数週間で原形質を無くして細胞壁だけとなる。これが積み重なって木の「材」となる。樹皮には葉での光合成で作られた炭水化物を木全体に送る「師部」(しぶ)がある〔岡部 p.73-102 3.構造の秘密〕。 さらに「材」は内側の「心材」(しんざい)と外側の「辺材」(へんざい)に分けられる〔。心材は「赤身」(あかみ)、辺材は「白太」(しらた)とも呼ばれるが、これは一般に中心部が赤っぽく、外辺部が白っぽい色をしているためである。ただし、エゾマツやトドマツまたはベイツガなど木の種類によっては中心部と外辺部で色の違いが見られず、心材と辺材の区別がほとんど出来ないものもある〔。 辺材には根から吸い上げた水分を樹木全体に送る仮道管(針葉樹)または道管(広葉樹)、またでんぷんなど同化物質を貯蔵・分配するために原形質を保持した柔細胞があり、木の生命活動を担う。道管・仮道管はその形成の段階で非常に細長く、かつ厚壁になったもので、それらはほとんどが幹の縦方向に平衡して並んでいる。また内部が空洞化することによって作られるため、木材は、強度を決定づける繊維が縦方向に強く並び、軽量ながら適度な強度と断熱性を持ち、方向による異方性を示す材料となる。 木材の主成分は多糖類であるセルロース分子が作るミクロフィブリル〔(約50%)やヘミセルロース(含キシラン・グルコマンナン、約20%)、リグニン(広葉樹約20%、針葉樹約30%)を主成分とし、副成分としてテルペン、タンニン、リグナン等を含む細胞組織からなり、複雑で緻密かつ強靭な構造を成している。骨格となる長鎖状のセルロースは木材に強さやしなやかさをもたらし、網目状のリグニンは細胞を接着させながら硬さ・曲げ強さを与える。分岐状のヘミセルロースはセルロースとリグニンを結びつける機能を受け持っている。これらは自然界では化学分解の難しい成分として知られるが、実際には菌類やシロアリなど一部の動物がこれを強力に攻撃する。特に辺材は水の通り道となるために含水率が心材と比べて高く、また栄養素を含むことから腐りやすく害虫にも弱い〔。これらの成分は可燃性であり、火は木材にとってもっとも危険なものである。 この柔細胞は分裂から数年 - 数十年経つと周囲の細胞を心材化させ、自らも原形質を失って膨張し、チロースとなって樹脂道や道管を充填する。こうして形成された心材は木の構造を支え、フェノール類などの抽出成分を含んで腐食や害虫の侵入を阻止する役目を持つ。また、セルロースは伐採後200-300年という期間を経て結晶化が進み、木材の強度を高める効果がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「木材」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Wood 」があります。 スポンサード リンク
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